垂直磁気記録で2.5型HDD拡大、シーゲイト

2006/1/26

 シーゲイト・テクノロジーは1月25日、垂直磁気記録方式を採用したノートPC向け2.5型ハードディスクドライブ(HDD)「Momentus 5400.3」の出荷を開始したと発表した。2月には店頭で入手可能になる予定。2.5インチHDDに垂直磁気記録方式を採用したのは業界初という。2プラッタで160GBの容量を実現した。製品ラインアップは40GB〜160GBの6種類で、80GB製品と160GB製品が主流となる。

日本シーゲイト 代表取締役社長 小林剛氏

 垂直磁気記録方式は、従来の水平磁気記録方式がデータビットをディスクの記録面に水平に配置しているのに対し、垂直に配置する方式。磁界が記録面に垂直になるので反発がなく、データの高密度化が可能になる。

 日本シーゲイト 代表取締役社長 小林剛氏は「垂直磁気記録方式の採用で、(2.5型HDDでは)業界最大の容量を実現した。スピードも速く、信頼性も高い。自信を持って投入できる製品」と語った。

 Momentus 5400.3のそのほかの特徴として、5400rpmの回転速度であるのに4200rpmと同程度の消費電力であること、動作時350G、非動作時900Gと高い耐衝撃性を持つことなどを挙げた。今回出荷された製品はUltra ATA/100インターフェイス搭載だが、SATA/150インターフェイスを搭載したモデルも2006年後半から出荷予定だという。

 小林氏は2.5インチHDDの年間出荷台数のグラフを示し、「2.5インチHDD市場は非常な勢いで伸びている」と説明。IDCの予測では2007年の出荷台数は約1億台で、2004年の出荷台数の約2倍になるという。容量としては、10GB、20GBが大半を占めた2001年と比較し、2005年は40GB、60GB、80GBが主流となり「4年で容量は4倍になった」と説明した。「2007年には80Gと160Gが主流になる」とし、新製品がトレンドに沿ったものであることを強調した。

 小林氏によれば、シーゲイトの2.5インチHDDのマーケットシェアは現在約12%。「新製品の投入で、更なるマーケットの拡大を見込んでいる」と意気込みを見せた。

 シーゲイトは2005年12月、同業のマックストアを買収すると発表したが、この件に関しては説明はなかった。

(@IT 長谷川玲奈)

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シーゲイトの発表資料

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