日本TIがデジタルAV家電市場獲得宣言

2006/1/27

 日本テキサス・インストルメンツ(日本TI)は1月26日、新デジタルAV機器用プラットフォーム「DaVinci」を披露、今後もアナログとDSPにさらに注力していくと宣言した。

日本テキサス・インスツルメンツの山崎俊行社長

 日本TIの山崎俊行社長は、「2005年に75周年を迎えた米テキサス・インストルメンツ(TI)は、売り上げ、利益ともに過去最高となった」と報告。これも同社が半導体の中でもアナログとDSPの2分野への選択と集中を進めてきた成果だと胸を張った。この2分野では、現在世界でナンバーワンのシェアを確保しているという。

 日本TIの2006年における事業も、アナログとDSPの世界をさらに広げていくことを骨格としている。

 まずアナログでは、品ぞろえの強化が最重要課題であるとし、ラインアップを約500種に増やしていく。民生向けAD/DAコンバータやアンプにさらに注力するほか、買収によって獲得したZigBee(工場などでの利用が有望視されている省電力型近距離無線技術)の製品投入を予定している。アナログ処理では、アプリケーション・エンジニアが販売における大きなカギを握ることから、増強を進めていく考えだ。

 携帯電話向けでは、すでにFOMAで同社のAVプロセッサがデファクト・スタンダードになっているが、さらに1セグ放送の開始に伴い、デジタルTV受信を1チップで実現する「Hollywood」(開発コード名)の投入も予定している。

 そして今年の日本TIにおける最大のテーマは、AV機能付きカーナビや家電機器で進行中の、エンターテイメントと通信の融合による新たな開発ニーズを取り込むことだ。そこで同社が投入するのが新プラットフォームDaVinci。日本TIは同プラットフォームに基づく最初の製品を、報道関係者やアナリストに対し、世界で初めてデモした。

 同社戦略企画本部本部長の岡野明一氏は、携帯電話の世界で起こったことが、カーナビやAV家電機器でも起ころうとしている現状を説明した。

 携帯電話端末は、いまやMP3再生やテレビ電話、ビデオカメラ、デジタルTVなどの機能を期待されるようになってきた。これにより、ソフトウェアの重要性が高まるとともに、コード量が膨大になり、開発メーカー各社は独自のプラットフォームやソフトウェアライブラリに頼りきれなくなってきた。そこでFOMA端末開発メーカーに広く採用されたのがTIのOMAP2420プロセッサを中核としたプラットフォーム。必要とされるソフトウェア機能を、幅広いOSに提供できることが成功につながったと岡野氏は話した。

 カーナビも、統合的な車載インフォテインメント機器に変ぼうしつつある。デジタルAV再生、ネットワーク対応、デジタルAVから運転補助機能までを要求されるようになってきている。家庭内のデジタル機器についても、IP電話や双方向テレビ、ゲーム、レコーダ、デジタル・メディア・アダプタなどで、ますます多くのフォーマットやコーデックのサポートが期待されるようになってきている。

 TIのDaVinciでは、「将来にわたって利用できる強力なコアDSP」(岡野氏)とARMプロセッサを中核としたシステム・オン・チップ(SoC)に、多様なコーデックに対応するソフトウェアを組み合わせ、評価ボードとともに提供していく。

 DaVinciに基づく第1弾のSoCである「TMS320DM6443/DM6446」は、サンプル出荷を開始したという。これを搭載した最初のデジタル製品は、国内で2006年夏に登場の見込みだ。日本TIでは、車載機器、IPテレビ電話、デジタルカメラ、IPセットトップボックスなどの各対象製品分野に合わせてハードウェアおよびソフトウェアの構成を変えた製品を順次投入していく。

 さらに日本TIでは、多数のコーデックやソフトウェアコンポーネントの利用におけるライセンス契約の煩雑さを軽減するため、単一の企業を通じて一括契約が行えるような仕組みも提供していく予定だとしている。

(@IT 三木泉)

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