老舗XMLデータベース新版が登場、サイバーテック

2006/3/1

 サイバーテックは2月28日、XMLネイティブデータベースの新版「Cyber Luxeon Ver.1」(サイバーラクセオン)を3月28日に出荷開始すると発表した。ラクセオンは、サイバーテックが2005年8月に事業取得した米Sonic Softwareの製品「Sonic XIS」がベース。ラクセオンはSonix XISの前身製品である「eXcelon」時代からの代理店で、システム構築やサポートのノウハウがある。新製品の投入では顧客に対してXMLデータの設計に関するノウハウを公開、提供していく。

 ラクセオンは、Sonic XISと比較してパフォーマンスを理論値で約15〜20%向上させた。XMLデータをオブジェクト化した状態でメモリ上にキャッシュする「XMLキャッシュ」機能を採用し、データに対するアクセス速度をアップさせた。XMLキャッシュは複数のサーバに分散配置してデータベース空間を拡張することができ、サーバの増設だけでシステム全体のパフォーマンスを向上させられるという。

 XMLデータベースの特徴は柔軟な拡張性。格納するデータ数が急増するシステムでもデータ構造を柔軟に変更させて拡張できる。サイバーテックによると、製造業の部品・図面管理や電子カタログシステムの基盤として利用するケースが増えているという。ラクセオンはXMLを格納管理する基盤として、オブジェクト指向データベース「ObjectStore」を採用し、検索性能を向上させている。

 サイバーテックはラクセオンの出荷に合わせてサポート体制を強化する。XMLデータ設計やキャッシュ設定などシステムのレスポンスを向上させるノウハウを顧客に提供。サイバーテックの取締役 マーケティング・セールスプロモーション担当 小野雅史氏は「導入後だけでなく、導入時点での設計・開発のノウハウを積極的に公開したい」と話した。

 価格はWindows Server 2003、Windows XP Professionalで利用できるWindows版の実行ライセンスが1CPU当たり450万円(税別、以下同)。また、データベースサイズを制限する「実行ライセンスLite」をWindows版に設けた。実行ライセンスLiteは1CPU当たり98万円。開発ライセンスは1ユーザー当たり38万円。年間保守サポートはライセンス価格の20%分。Solaris 10対応のSolaris版は実行ライセンスが1CPU当たり550万円。年間保守サポートは1CPU当たり110万円。

 サイバーテックは2006年9月には全文検索機構を強化したバージョン2を出荷する予定。2007年2月には64ビットプロセッサに対応するバージョン3をリリースするという。

(@IT 垣内郁栄)

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サイバーテックの発表資料

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