4Gbps一番乗りでSANを広げる、ブロケード

2006/3/8

 ブロケードコミュニケーションズシステムズは3月6日、SANスイッチ/ルータなど4つの新製品を発表した。4Gbpsへの対応などにより、SANスイッチ/ルータを全般的に底上げし、ストレージ統合の大規模化に備える。

 SANスイッチ/ルータの新製品は、同社の最上位機種であるダイレクタ製品「Slikworm 48000」用モジュールとSilkworm 7500。4Gbpsのファイバーチャネル・ポート16個と2つのギガビットイーサネットポートを備える。これらはファイバーチャネル・ルーティングやFCIPなど、同社のSANルータの従来製品「Multiprotocol Router」と同様な機能を持ち、インターフェイスを2Gbpsから4Gbpsに能力が向上している。これにより、さらに広範囲で大容量のSANファブリックを実現する。フレームの圧縮と暗号化をハードウェアで支援する機能も備えている。4Gbpsでファイバーチャネル・ルーティングが可能な製品は、業界初であるという。

64ポートを段階的にライセンスで有効にできるSlikworm 4900

 同社はSANのエッジに位置するSANスイッチでも、従来の「Slikworm 4100」を超えたポート数の「Silkworm 4900」を発表した。Silkworm 4100が32ポートであるのに対し、Silkworm 4900は64ポートを備え、SANの拡大に対応する。ポート密度は世界最高という。

 Silkworm 4900のきょう体は64ポートで固定だが、これをソフトウェアライセンスで有効化する方式。例えば32ポートからスタートし、ニーズに応じて64ポートまでライセンス購入で拡張することができる。

 ブロケードは同時に、「Brocade iSCSI Gateway」(BIG)を発表、iSCSIへの取り組みを示した。新製品では、IPネットワーク経由で、サーバをファイバーチャネルSAN上のストレージに接続することができる。ユーザー部門や遠隔拠点のサーバを、同社製品で構成される中核的なストレージ・ネットワークに取り込む手段としての位置づけだ。

 では、Multiprotocol Routerは今後どうなるのか。Multiprotocol RouterはFCIPやiSCSIをファイバーチャネルSANにつなぐルータとしてだけでなく、最近では、SANによるサーバのリモートブートや、遠隔拠点のファイルサービス統合などを実現する同社のアプリケーションのプラットフォームとして用いられてきた。しかし稼動中のファームウェア更新はできず、インターフェイスも2Gbpsに留まっている。同社では、今回の新製品でMultiprotocol Routerを一部代替するが、マクデータ製品との接続機能はMultiprotocol Routerのみで提供している。アプリケーションのプラットフォームについては、今年末にSilkworm 48000用のモジュールとして新たな製品を提供する予定という。

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ブロケードの発表資料

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