W-ZERO3で本格化するWindows Mobile “Origami”の影響は

2006/3/21

 「ウィルコムの『W-ZERO3』は日本で最初のWindows Mobileデバイスだ。日本人のWindows Mobileへの関心を駆り立てている」。米マイクロソフトのモバイル&エンベデッド デバイス部門およびコミュニケーションズ セクター ビジネス担当のシニアバイスプレジデント ピーター・クノック(Pieter Knook)氏はこう述べて、Windows Mobileの日本での成功に自信を見せる。

米マイクロソフトのモバイル&エンベデッド デバイス部門およびコミュニケーションズ セクター ビジネス担当のシニアバイスプレジデント ピーター・クノック氏

 OSにWindows CEを採用し、Officeアプリケーションなどをパッケージしたスマートフォン向けのWindows Mobileは、世界で102の携帯電話事業者が採用。55カ国で展開し、47のデバイスメーカーが端末を開発している。しかし、日本では2005年12月出荷のW-ZERO3が初めて。「日本は携帯電話の無線方式が欧米と異なるために少し遅れた」(クノック氏)という。ウィルコムに続き、NTTドコモやボーダフォンもWindows Mobileを搭載した端末を2006年度内に投入する予定で、「大きな成長をして、キャッチアップできる」と見ている。

 国内でWindows Mobileを成長させるには「正しい情報提供が必要だ」とクノック氏は考えている。開発ツールのVisual Studioを使えば、「シングルアプローチで、PC向けとWindows Mobile向けアプリケーションを開発できる」ことや、Windows OSの操作性を踏襲していることなどを訴える。特に既存のWindows環境との親和性の高さを強調、Microsoft Exchange Serverと連携して、Windows Mobile端末がスムーズに電子メールを扱えることを説明した。「Exchange Serverを使うには(モバイルデバイスの中で)Windows Mobileが最適の環境だ」

 また、クノック氏は「ほかのモバイルデバイスではJavaアプリケーションも開発されているが、ビジネス上では.NETの開発のほうがポピュラー。Visual Studioの既存のスキルで開発できるため、生産性が高い。今後は.NETベースのアプリケーションが普及するだろう」と語り、Windows Mobile向けにアプリケーションを開発するユーザーが国内でも増えると予測した。国内ではWindows Mobileの開発者をターゲットにした初めてのカンファレンスを5月末に開催する予定だ。

 デバイスに組み込まれて出荷されるWindows Mobileでは携帯電話事業者などとのパートナーシップが重要だ。クノック氏は「携帯電話事業者はWindows Mobile端末を販売することで、高いARPU(月間電気通信事業収入)が期待できる」と述べ、ユーザーにHotmailやWindows MessengerなどのWindows Mobile向けサービスを利用させることで、事業者が収益向上を図れることを説明。事業者や端末メーカーなどとの連携を強める考えを示した。「Windows Mobileの小さなロイヤルティでも積み重なれば、マイクロソフトは大きな売り上げを期待できる。マイクロソフトは将来の成功のために、大きな投資をしている」

 マイクロソフトは3月9日、タッチスクリーン入力をサポートする小型モバイルPC「ウルトラモバイルPC」(UMPC、開発コード名“Origami”)の詳細を発表した。WindowsベースのデバイスでWindows Mobile端末と機能の重複もある。クノック氏は「状況によって用途は重なる。しかし、フルのアプリケーションを使いたい場合はUMPC、小さいデバイスで無線通信を使いたい場合はWindows Mobileが使いやすいなど、ユーザーの状況によるだろう」と述べた。

(@IT 垣内郁栄)

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