「オンアクセススキャン」ができるLinux用ウイルス対策ソフト

2006/3/23

 ソフォスは3月22日、Linuxに特化したウイルス対策ソフト、「Sophos Anti-Virus for Linux Version 5.0」を発表した。同社がSophos Anti-Virus for UNIXのLinux版として提供してきた製品を機能強化したもので、3月22日に同社Webサイトでダウンロード提供が開始された。

ソフォスのブロデリック社長

 新製品の最大の特徴は、同社が「オンアクセススキャン」と呼ぶ機能を提供していること。これはハードディスクやCD/DVD、ネットワーク上の共有ファイルシステムなどに対し、アクセスした時点でウイルススキャンを実行するというもの。ソフォス日本法人のアラン・ブロデリック代表取締役社長は、「Linuxでは難しく、これまでは一部の製品がsambaのファイル共有などに限定して提供していただけ」と話す。新製品では、Linuxデスクトップからアクセスされるメディアに幅広く対応している。

 さらに新製品では、Windowsなど、Linux以外のOSをターゲットとするウイルスをLinux上で検知し、阻止する機能も備えている。Linuxマシンに感染するウイルスはまだ少数にとどまっているものの、LinuxマシンがほかのOS用ウイルスの媒介役として使われるケースが増えていることに対応した。管理者用のインターフェイスはこれまでコマンドラインのみだったが、今回の製品ではWebインターフェイスが加わった。

 スキャンの高速化に寄与する「Decision Caching」機能も提供されている。これは、OSのキャッシュを活用して、ファイルのスキャンを実行するというもの。

 ソフォスのウイルス対策ソフトではほかにも、ウイルス防止機能を止めずに新パターンファイルの導入やエンジン更新が実行できる「ホットアップデート」や、現在のウイルスから、亜種でも変わらない部分をパターンとして抽出し、予防的なシグネチャとして用いることで、ヒューリスティック検知に比べ誤検知を減らす「Genotypeウイルス検出」といった特徴がある。

 Sophos Anti-Virus for Linux Version 5.0の年間ライセンス料は、100ユーザーの場合で、1ユーザー当たり3960円。企業においてLinuxデスクトップが浸透し始めているのは中規模から大規模の企業であるため、こうした企業を主なターゲットとして販売していくという。新製品はカーネル2.4以降に対応。それ以前のカーネル・バージョンのユーザーには、既存のSophos Anti-Virus for UNIX Linux版を今後も提供するという。

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ソフォス

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