マルチコア対応リアルタイムOSを一般配布、TOPPERSプロジェクト

2006/3/23

TOPPERSプロジェクト会長/名古屋大学 教授 高田広章氏

 NPO法人 TOPPERSプロジェクトは3月22日、リアルタイムOS「TOPPERS/FDMPカーネル」をオープンソースとして配布すると発表した。「TOPPERS/FDMPカーネル」はμITRONの仕様に準拠したリアルタイムOSで、TOPPERSプロジェクトは2005年4月に開発を成功させたとしている。

 今回配布を発表した「TOPPERS/FDMPカーネル」は、μITRON仕様準拠のリアルタイムOSであるTOPPERS/JSPカーネルを、機能分散マルチプロセッサ向けに機能拡張したもの。「TOPPERS/FDMPカーネル」を用いることで、機能分散プルチプロセッサを用いたアプリケーション開発を大幅に効率化することができる。また、μITRON仕様に準拠したAPIを備えているため、マルチプロセッサ上のアプリケーション開発に、μITRON仕様OS向けのソフトウェア資産を活用することができる。

 TOPPERSプロジェクトは今後、もう1つのタイプのマルチコアプロセッサである対称マルチプロセッサ(SMP)向けのりあるタイムOSの開発や、OSEK仕様準拠のりあるタイムOSを機能分散マルチプロセッサ向けに機能拡張するなど、マルチコアプロセッサ向けのリアルタイムOS技術の開発に取り組んでいく予定。

 同日、合資会社もなみソフトウェアが「TOPPERSカーネル」向けの統合開発環境「PizzaFactory3」のソースコードをオープンソースで無償公開したと発表した。

(@IT 谷古宇浩司)

[関連リンク]
TOPPERSプロジェクト

[関連記事]
IPA調査で判明、「外部委託で組み込みソフトの品質低下」 (@ITNews)
組み込み版スキル標準で開発者の仕事はどうなる? (@ITNews)
「x86 Everywhere」、AMDが仕掛ける組み込み戦略 (@ITNews)
「組み込み版ITSS」策定でエンジニアが大移動? (@ITNews)
組み込みソフト開発の需要爆発? NECが新組織を設立 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)