“Rootkit”検出を個人向け製品に搭載、日本エフ・セキュア

2006/3/30

 日本エフ・セキュアは3月29日、「Rootkit」の検出・削除機能を実装したコンシューマ向けのセキュリティパッケージソフトウェア「F-Secure インターネットセキュリティ 2006」を4月17日に発売すると発表した。

ムーミンを採用した「F-Secure インターネットセキュリティ 2006」のパッケージ(上)とメイン画面

 Rootkitは悪意ある攻撃者やウイルス、スパイウェアによってインストールされるプログラム。インストールされるとPCにバッグドアなどが作成され、ほかの不正プログラムによってシステムが乗っ取られやすくなる。Rootkitは自身や不正プログラムを隠ぺいするステルス機能があり、一般のウイルス対策ソフトウェアなどでは検出が難しいとされている。

 F-Secure本社の副社長 兼 コンシューマー事業部長 トロンド・ニアガード(Trond Neergaard)氏は、Sony BMGの音楽CDに不正コピー防止プログラムを見えなくする目的でRootkitが挿入されていた件を挙げて、「RootkitはPCをオープンにしてほかの不正プログラムを埋め込み可能にする」と指摘。「Rootkitは目に見えない形で忍び寄っている。ツールによる検出が重要だ」と語った。インターネットセキュリティ 2006に実装したRootkit検出機能は、エフ・セキュアが開発した「F-Secure BlackLight」技術を利用。RootkitやRootkitを利用してインストールされた不正プログラムを検出、削除する。

 インターネットセキュリティ 2006は総合セキュリティソフトウェアで、Rootkit検出のほかに3つの検出エンジンを使ったウイルス対策やスパイウェア対策、パーソナルファイアウォール、スパムメール対策などが可能。F-Secure本社があるフィンランドのキャラクター「ムーミン」を採用したGUIを用意し、「たいくつなセキュリティ製品を心安らかに楽しく使ってもらいたい」(日本エフ・セキュア 代表取締役 渡邊宏氏)としている。

 インターネットセキュリティ 2006はWindows 2000/XPで稼働。価格はパッケージ版が9660円、ダウンロード版は5775円。インターネットで販売する。エフ・セキュアはLinux向けなどエンタープライズ対象のセキュリティソフトウェアを販売してきた。コンシューマ市場参入ではエンタープライズ市場で磨いた高度な技術を武器にユーザーにアピールする。インターネットセキュリティ 2006とその後継製品で、2008年度までに50億円の売り上げと10%のシェア獲得を目指す。

(@IT 垣内郁栄)

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