デル社長交代、シェアトップ獲得と顧客満足度向上を託す

2006/4/6

ジム・メリット氏(左)と浜田宏氏(右)

 4月5日、都内のホテルで行われた記者懇親会にデルの新旧社長がそろって出席した。同社は3月初め、浜田氏の社長退任と米デルでコーポレート・ビジネス・グループでグローバルセールスを統括したジム・メリット(Jim Merritt)副社長の代表取締役社長就任を発表している。

 メリット氏は、1999年にデルに入社する以前は、IBMで16年間働き、サーバグループの副社長も務めたという。デルではこれまでの6年間、グローバル企業向けのセールスを統括し、売り上げを約30億ドルへと倍増させている。

 「IBMや本社での経験が、エンタープライズ市場、特にサーバやストレージの日本における事業加速に役立ってくれればと願っている」とメリット氏。

 デルの売り上げの85%を占める企業向け市場では、顧客満足度の向上が成功に欠かせない要因となる。メリット氏は、「3番目に大きな市場として日本に投資を行い、ビジネスの成長はもちろん、顧客満足度の向上も図ってきた」と話すが、爆発的な成長を遂げてきたデルにとっては、その成長に追いつく顧客満足度の向上が課題となっている。

 後任にシェアトップ獲得と顧客満足度の向上を託した浜田氏は、しばらく非常勤顧問として同社に残るが、デルでの経験を生かし、日本企業を支援していく事業を立ち上げたいと話す。

 「デルは新しい販売手法やサービスの在り方を日本市場に持ち込み、コンピュータ業界の新しい基準を定義してきたが、その強みは、ゴールを達成する“実践力”にあり、それを学ぶことができた」(浜田氏)

 コンピュータ業界で「デル革命」を起こした同社だが、そのビジネスモデルは意外なほどシンプルなものだ。「成功要因は実践力」だと言う浜田氏が、次のフィールドとして選んだのは、ITに限らない日本企業の支援だった。

 デルの日本での売り上げは、浜田氏の社長就任以降の6年間で5倍に伸び、約27億ドルに成長し、シェアも9位から3位に躍進している。

(ITmedia 浅井英二)

[関連リンク]
デル

[関連記事]
デルが乗り越える「ブレードサーバが普及しない理由」 (@ITNews)
「小さく生んで、大きく育てる」、デルのプリンタ事業 (@ITNews)
コンサルティング・サービスにセキュリティを追加、デル (@ITNews)
オラクル、デルの協業が拡大、それぞれの思惑は? (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)