購入も実装もしやすいオープンソース、HPの新アプローチ

2006/4/12

米HPのビーデイル・ガービー氏(Open Source & Linux Chief Technologist)

 日本ヒューレット・パッカードは4月11日、商用/オープンソースソフトウェア混在環境によるシステム構築のための新たなサービスメニューを発表した。企業システム構築現場におけるオープンソースソフトウェアのニーズの高まりに対応した。同時にオープンソースにかかわる技術情報の提供や検証、商談の後方支援など国内での営業活動をサポートする専門施設「オープンソース・コンピテンシー・センタ」を天王洲本社内に設立したと発表した。

 新サービスメニュー「HP Open Source Integrated Portfolio」(HP OSIP)は、これまで同社がLinuxベースのシステム構築で提供してきた「HP Linux リファレンス・アーキテクチャ」を拡張したもの。Linux、HP-UX、Windows上でオープンソースソフトウェアをサポートする体系(HP Open Source Building Blocks)と、技術文書やマテリアルを提供する「HP Open Source Blueprint」、コンサルティング・サービスが含まれている。

 「HP Open Source Building Blocks」をリリースすることで、同社はオープンソースソフトウェアのサブスクリプションとテクニカルサポートを提供することになる。HPのハードウェアと、搭載するOS(Linux、HP-UX、Windows)、さらにJBossをはじめとしたオープンソースミドルウェアが“ブロック”という位置付けである。

 これらの“ブロック”を活用してオープンソースのスタックを構築するにはコンポーネントを定義したり、スタックの検証を行ったりする必要がある。検証結果などの技術ドキュメント(ブループリントと呼ばれる)を文書やセミナーという形態で顧客に提供するのが「HP Open Source Blueprint」である。

 これらの製品にコンサルティング・サービスを付加し、オープンソース・コンピテンシー・センタを活用しながら、オープンソースによる企業システム構築需要の拡大をサポートする。

 来日した米HPのビーデイル・ガービー(Bdale Garbee)氏(Open Source & Linux Chief Technologist)は、今回の発表に先立って、HPのオープンソースに対する強い姿勢を強調した。同氏によると、HPには2500人以上のオープンソース開発者がおり、オープンソースソフトウェアを情報システムに実装するエンジニアが6500人以上いる。また、150以上の同社製品にオープンソースソフトウェアが組み込まれており、300以上のオープンソース・プリンタ・ドライバがコミュニティに提供されているという。

(@IT 谷古宇浩司)

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