これで管理が楽になる? インテル、ビジネスPC向け新基盤

2006/4/26

 インテルは4月25日、セキュリティ機能や管理機能を強化したビジネスPC向け新プラットフォーム「インテル vProテクノロジー」を発表した。2006年後半より、各PCベンダより対応PCがリリースされる予定だ。

 vProテクノロジーは、ビジネスPCに必要なセキュリティや管理といった機能を強化した新しいプラットフォーム。具体的には、デュアルコアプロセッサ「開発コード名:Conroe」やビジネス向けチップセット「インテル Q965 Express」「インテル アクティブ・マネージメント・テクノロジー」(AMT)、「インテル バーチャライゼーション・テクノロジー」(VT)を備える。VTはConroeに搭載され、AMTはチップセットに統合される予定だ。

左)インテル 代表取締役共同社長 吉田和正氏、右)米インテル コーポレーション デジタル・エンタープライズ事業本部 副社長 兼 プラットフォーム・コンポーネント事業部長 ティム・ダン氏
 インテル 代表取締役共同社長 吉田和正氏は、「企業は大きく2つの要件を重視する。1つ目はセキュリティで、2つ目は効率よく早く導入できることだ。さらにTCO削減のために、低消費電力と性能も求められる。これらのビジネスニーズに応えるためのプラットフォームがvProだ」と述べた。また、米インテル コーポレーション デジタル・エンタープライズ事業本部 副社長 兼 プラットフォーム・コンポーネント事業部長 ティム・ダン(Tim Dunn)氏は、「企業はリソースの89%をパッチを当てたり、ウイルスを駆除するといったメンテナンスに費やしている。vProの目的はこの89%を削減することだ」と説明した。

 例えば、PCサポートでは、問い合わせの87%がリモートから解決できる問題であり、電源が入っていない、OSが起動しない、ウイルスに感染しているといった理由でデスクまで向かわなければならない問題は全体の13%だという。しかし、このような問題はデスクまで出向いて作業しないとならないため、コスト面では全体の46%を占めていた。一方、vProテクノロジーは第2世代のAMTを搭載しているため、電源が入っていない状態やウイルスに感染しているような状態でも、リモートからの管理が可能となっており、コスト削減に貢献できるという。

 また、セキュリティ面ではシステムディフェンスの機能によって、ウイルスの感染パターンを判断し、未知のウイルスに感染した場合でも感染PCを自動的にネットワークから分離することで感染拡大を防ぐ。さらに、VTを利用し、OSとは別のパーティションにセキュリティソフトをインストールすることで、PCをより安全な状態に保つことができるという。

 電力面では、「Pentium 4が180Wであったのに対し、Conroeは140W程度で電力効率が40%以上向上している」(ダン氏)と語り、低消費電力であることをアピールした。パフォーマンス面では、Pentium 4の600番台とConroeを、Office 2007とセキュリティソフトを同時に動作させるデモでは、3倍以上の差がでていた。吉田氏は、vProの今後の展開について「現在は、ビジネス用途のデスクトップPCのみだが、将来的には特に日本で出荷の多い、ノートPCにも搭載していきたい」と抱負を語った。

(@IT 大津心)

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