IE7ベータ2が一般公開、「Vista登場前にWebサイトの検証を」

2006/5/10

 マイクロソフトは5月9日、次期Webブラウザ「Internet Explorer 7」(IE7)日本語版のベータ2を一般ユーザー向けに公開した。タブブラウジングへの対応やRSSフィードの購読など新機能を盛り込む。マイクロソフトにとっては、「Webサイト開発者に検証してほしい」(マイクロソフトのWindows本部 ビジネスWindows製品部 マネージャ 中川哲氏)というのがベータ2公開の最大の狙いだ。

マイクロソフトのWindows本部 ビジネスWindows製品部 マネージャ 中川哲氏

 IE7は、Windows XP Service Pack 2、Windows Vista、Windows Server 2003 Service Pack 1向けに提供する。XP版IE7の最終版は2006年後半に公開予定。前バージョンのIE6とIE7では仕様にいくつかの違いがあり、Webサイトの互換性が課題になる。WebサイトやWebアプリケーションの開発者は検証作業が必要だ。特にIE7を標準搭載するWindows Vista登場後は、IE7の利用が急速に増えると見られ、対応は必須になる。

 IE6とIE7の大きな違いは、CSS(Cascading Style Sheets)の変更。IE6は独自仕様のCSSに対応していたが、IE7では標準のCSSをベースにし、CSS 2.1のサポートも向上させた。そのためIE6に最適化して開発したWebサイトを、IE7で閲覧すると正しく表示されないケースが考えられる。マイクロソフトのWindows本部 ビジネスWindows製品部 シニアプロダクトマネージャ 伊藤哲志氏は「IE6のCSSの処理には問題があったことは否めない」として、IE7では標準技術を採用したことを説明。「Web 2.0時代に対応できるWebブラウジングを提供したい」と語った。

 セキュリティ機能も変更がある。HTTPS接続ではSSLv3/TLSv1をデフォルトにし、標準設定ではSSLv2を無効にする。SSLv2を使っているWebサイトではエラーが表示される。また、デジタル証明書が異なるhostnameから発行されていたり、信頼されていないルート証明機関から発行されている、期限切れなどの場合は、警告が出るだけなく、アクセスをブロックする。IE6では警告が表示されてもアクセスは可能だったが、IE7ではアクセスが不可になる。ユーザーはアドレスバーから容易にデジタル証明書の状況を確認できる。

 また、プリインスールされたActiveXコントロールや、IE7を介してインストールされていないActiveXコントロールを無効にし、利用前にユーザーに確認させる機能を追加。悪意のあるActiveXコントロールが実行されることを防止する。セキュリティの新機能としては、フィッシング詐欺サイトを2段階で警告、ブロックする検出機能や、閲覧履歴、パスワードのワンクリックでの削除機能などを提供する。フィッシング詐欺サイトの検出はマイクロソフトやセキュリティベンダが構築するブラックリストでチェックする。

IE7ベータ2のインターフェイス。タブブラウジングに対応し、効率性を高めた。右上には検索ボックスを標準で搭載する

 Ajaxのサポートも強化する。IE6ではActiveXコントロールでXMLHTTPリクエストを処理していたので、開発者はIE6向けに別のコードを書く必要があった。しかし、IE7ではXMLHTTPリクエストをネイティブで処理できるよう変更した。

 インターフェイスではタブブラウジングを標準でサポート。複数ページのサムネイルを1画面で表示する機能も付けた。複数のタブをグループ化して一度に開いたり、Webブラウザを起動した際に表示する複数のタブを表示できるようにした。標準では「ファイル」「編集」などのメニューを表示しないようにするなど「画面をより広く使うために考えたインターフェイスを採用した」(伊藤氏)。MSNやGoogleなどの検索エンジンをWebブラウザ内で利用できる検索ボックスも統合。印刷機能にページの拡大・縮小機能を付けるなどユーザーのフィードバックを細かく反映させている。

 RSSフィードのサポートでは、Webサイト上のRSSフィードを自動で検出し、ツールバー上のアイコンを光らせることでユーザーに通知。ユーザーはアイコンをクリックしてフィードを購読し、更新情報を受け取ることができる。RSSフィードは「お気に入りセンター」で管理する。対応するのはRSS(0.9x、1.0、2.0)とAtom(0.3、1.0)。

 伊藤氏は「IE7が搭載されたWindows Vistaが登場してからWebサイトを検証、修正するのでは、Webアプリケーションのクリティカルな問題になりかねない。ベータの早い段階から検証をしてほしい」と呼びかけた。マイクロソフトはWebサイト、Webアプリケーションの管理者向けにIE7でアクセスする際の表示や動作を確認できるチェックリストをWebサイトで近く公開する。開発者からのフィードバックも受け付ける。

 また、ベータ2リリースと同時にIE7対応のWebサイトを構築するためのツールキット「Internet Explorer Readiness Toolkit」を公開した。ツーキットは、コードを検証してWebサイトとIE7との互換性をチェックできる「Internet Explorer Compatibility Evaluator」を含む。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
Internet ExplorerのWebサイト

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