メインフレームユーザーの70%以上は
メインフレームを継続利用、富士通

2006/5/16

富士通 経営執行役 サーバシステム事業本部長 山中明氏

 富士通は5月15日、サーバ製品の最上位機種「GS21」シリーズの新モデルを発表した。2007年2月から順次出荷する。

 発表したのは「GS21 900」と「GS21 500」のモデルグループ。「GS21 900」モデルグループは、単体プロセッサ処理性能で、下位モデル「GS21 600」モデルグループの1.5倍を実現した。「GS21 500」は下位モデル(「GS21 400」)の1.3倍の性能向上を実現。同時にプライスパフォーマンスを最大20%向上した。両モデルグループ共に、90nm CMOSテクノロジCPUを採用している。

 富士通 経営執行役 サーバシステム事業本部長 山中明氏は、総務省 情報通信白書(平成17年度版)のデータを引きながら、同社の大多数のメインフレームユーザーは、メインフレームの利用を継続するとした。情報通信白書によると、メインフレームの継続利用を何らかの形で検討しているのは、全体の77.4%(「一部をオープン化しながら、メインフレームを継続利用」は45.6%、「メインフレームを継続」は31.8%)である。継続利用の主な理由としては、安定運用、既存資産の継続活用といったものだ。

 メインフレーム、UNIXサーバ、PCサーバ、IAサーバなど、同社におけるサーバ製品のラインアップは多岐に渡っている。市場の傾向として、メインフレームをオープン環境に移行させる動きが強まっているのは事実だが、「だからといって、サーバのラインアップをシンプルにすることは、簡単なことではない」(山中氏)。今回発表した「GS21」シリーズのターゲット顧客は、同社のメインフレームを導入している既存顧客である。「メインフレームで新たな市場を作っていくことは考えていない」と山中氏はいう。

 「GS21」シリーズの次世代機は2009年ごろにリリース予定。いまでは、メインフレームの研究・開発は、オープン系サーバと機能的に重なり合う部分もある。長期的な視野に立てば、メインフレームの研究・開発規模を緩やかに縮小させていくことも可能である。なお、同社では、2009年以降もメインフレームに対する開発投資を継続する予定である。

(@IT 谷古宇浩司)

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