【次期Office】PtoPを使ったコラボツール「Groove 2007」とは

2006/5/31

 マイクロソフトは5月30日の説明会で新たにオフィス製品に加えたコラボレーション製品「Microsoft Office Groove 2007」のデモンストレーションを公開した。Groove 2007はPtoPの仕組みを使ったコラボレーションツール。社内環境だけでなく、社外のメンバーとも安全、簡単に情報共有できるのが特徴。マイクロソフトのインフォメーションワーカービジネス本部 シニアプロダクト マネージャ 松田誠氏は「Groove 2007はプロジェクト単位や部門単位での情報共有に利用できる。ただ、全社レベルの情報共有には向かない」と説明した。

 Groove 2007ではクライアントPC上に作成する「ワークスペース」が基本になる。ワークスペース上ではメンバー間でファイル共有、スケジュール、ディスカッション、フォーム、案件管理などができる。マイクロソフトがインターネット上に用意するセッション管理サーバを使うため、ネット接続環境にかかわらず、メンバーを追加できる。クライアントアプリケーションだけで稼働する。メンバーのPCにはプロジェクトごとにワークスペースが作成される。情報が更新されると差分ファイルがPC間でやりとりされ、追加される。ローカルのデータは自動で暗号化する。

Groove 2007のワークスペース。イメージなどを自由に組み込んだドキュメントを作成できるのも特徴だ

 Groove 2007は、クライアント同士が情報を交換する「シンプルなアーキテクチャ」(松田氏)だが、サーバ製品を組み合わせることで「クライアント/サーバ型、オフライン利用なども可能なハイブリッドアーキテクチャとしても利用できる」。

 サーバ製品は「Microsoft Office Groove Server 2007」。Active Directoryを使ったユーザー管理やデータのバックアップ、ポリシー設定などが可能。マイクロソフトがネット上で提供するセッション管理サーバを社内に持つことも可能で、オフライン時のデータキャッシュ機能や帯域幅の管理など標準機能を超える機能が利用できる。

 Groove 2007は「IT部門の手をわずらわせないエンドユーザー・コンピューティングを実現する製品」(松田氏)で、複数のエンドユーザー向け開発ツールを標準で搭載する。Groove 2007上で利用するアプリケーションを作成できるフォームツールや、ほかのシステムと連携できるWebサービス開発ツール、業務アプリケーションの情報をワークスペースと同期させることができるデータブリッジツールなどを用意する。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
マイクロソフトの発表資料(Officeベータ2発表)

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