NTT「People Service」、省庁採用で活気−リバティ・アライアンス

2006/6/23

 インターネット上で利用できる連携アイデンティティ管理やサービスについての仕様策定を進めているリバティ・アライアンス・プロジェクト(Liberty Alliance Project)が国内での活動を活発化させている。今年1月にはメンバーのNTTが、ソーシャルネットワーク情報を複数のサービス間でやりとりする「People Service」を提案し、仕様を公開した。マイクロソフトとの標準仕様争いを演じた初期の派手さはないが、省庁系での実証実験も相次ぎ開始されるなど、リバティ仕様の導入は静かに進んでいるようだ。

 リバティ・アライアンスはすでに、シングルサインオンのフレームワークとなる「リバティ・アイデンティティ連携フレーム」(ID-FF)、Webサービス上でアイデンティティを連携させる「リバティ・アイデンティティWebサービス・フレームワーク」(ID-WSF)、個人情報サービスやカレンダーサービス、位置情報サービスなどを連携させる「リバティ・アイデンティティサービス・インターフェイス」(ID-SIS)を策定。「リバティ・アライアンスは現在、フェイズ3の段階」(リバティのJapan-Special Interest Group(Japan-SIG)のメンバーで、サン・マイクロシステムズの下道高志氏)という。

リバティ・アライアンス Japan-SIGのメンバーで、NTT情報流通プラットフォーム研究所 ユビキタスコンピューティング基盤プロジェクト 高橋健司氏

 1月にはID-WSF 2.0の新機能として、個人のソーシャルネットワーク情報を複数のサービス間で連携させる仕様「People Service」をリバティのメンバーであるNTTが公開した。同じくJapan-SIGのメンバーで、NTT情報流通プラットフォーム研究所の高橋健司氏によると、People Serviceは、あるサービスに登録したブログリストやブックマーク、スケジュール、共有写真、インスタント・メッセージングなどのソーシャルネットワーク情報を、安全な形でほかのサービスでも利用できるようにする。ユーザーが認めるほかのユーザーとも共有可能にする。高橋氏は「ソーシャルネットワークサービス(SNS)などで利用できる」と話した。

 国内では経済産業省や総務省が管轄する独立行政法人 情報通信研究機構がリバティ・アライアンスの仕様を取り入れた研究開発プロジェクトを2005年度から開始。計3プロジェクトがあり、共通認証基盤の実証を行っているという。ある地方都市でフィールドトライアルを検討しているプロジェクトもある。3プロジェクトの予算を合計すると15〜18億円になる。

(@IT 垣内郁栄)

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リバティ・アライアンス・プロジェクト

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