アカマイは飛行機のビジネスクラスを提供する会社!?

2006/6/29

 アカマイは6月28日、報道関係者向けの説明会を実施し、米アカマイ・テクノロジーズの会長兼CEO ジョージ・コンレイデス(George Conrades)氏が日本市場向けの事業戦略を説明した。従来の正規販売代理店経由に加えて直販を開始するほか、新たにテクニカル・パートナー5社と協力していく。

米アカマイ・テクノロジーズ 会長兼CEO ジョージ・コンレイデス氏
 アカマイは、Webサイトやストリーミングなどのコンテンツ配信加速サービスを中心に提供している会社。日本では、2000年1月にソフトバンクとジョイント・ベンチャーを設立したが、2003年1月にはソフトバンクとの資本提携を解消し、米国アカマイ・テクノロジーズの100%子会社としてアカマイ・ジャパンを設立した。そして、正規販売代理店としてNTTコミュニケーションズ、ソフトバンク、日本IBMの3社と協業して販売を続け、現在国内の顧客は100社以上に上るという。

 アカマイは、テクニカル・パートナーとして、新たにイーシー・ワン、Jストリーム、NEC、ネットマークス、ビジネス・アーキテクツの5社と協業。テクニカル・パートナーと協力して直販を開始する。主に正規販売代理店経由では「Web静的コンテンツ配信サービス」を販売し、直販ではリッチコンテンツ配信をメインとした「Web動的コンテンツ配信サービス」を提供していく。

 さらに同社では、Web動的コンテンツ配信サービスの核となるサービスとして「Application Performance Solutions」(APS)を新たに発表した。APSは、「Web Application Acceleration」「Dynamic Site Acceleration」「On-Demand Application Platform」の3つのサービスで構成される。Web Application Accelerationは、BtoB向けの動的コンテンツ配信の加速サービス。混雑を避けるSure Route技術やTCP/IP Optimization技術などを組み合わせて配信を制御する。

 Dynamic Site AccelerationはBtoC向けの動的コンテンツ配信の加速サービス。加速サービスにキャッシュ管理機能などを付加したスタンダードサービスと、アクセス管理などを付加したセキュアサービスの2種類が用意されている。On-Demand Application Platformは、Webアプリケーションサーバ上の一部のコンポーネントをEdge Platform上で処理できるソリューション。購買や登録・投票、キャンペーンなどのアプリケーションに向いているという。

 コンレイデス氏は、「現在のインターネット上のコミュニケーションの中心はeメールだが、今後はそのほかのメッセンジャーやSkypeなどのリッチコンテンツが主流になっていくだろう。特に当社の製品は、iTunesやソフトウェアダウンロードに向いている。今後はメジャーリーグやワールドカップもインターネット上で視聴するようになるのではないか」と予測した。

 また、アカマイ 代表取締役社長 小俣修一氏は、「Web 2.0企業といわれているGoogleやamazon.com、Yahoo!などはすべて当社のユーザーだ。当社はいわば、飛行機のビジネスクラスのようなものだ。コンテンツベンダは当社製品を利用することで、非常に快適なインターネット配信ができるようになるだろう」とコメントした。

(@IT 大津心)

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