縦横2種類のキーボードを搭載した新W-ZERO3

2006/7/5

 ウィルコムは7月4日、2005年12月に発売して好評を博したW-ZERO3の新型「W-ZERO3 [es]」(型番:WS007SH)の販売を7月27日より開始すると発表した。7月14日より予約受付を開始し、ウィルコムストアの価格はW-SIM付きの場合が2万9800円、W-SIMなしの場合で3万6800円となっている。

W-ZERO3 [es]の白に開発中のワンセグチューナーを装着したところ。現時点での画像は荒めだった
  W-ZERO3 [es]は、携帯電話で初めて2.8型のVGA(640×480ドット)モバイルASV液晶と「Windows Mobile 5.0 software 日本語版」を搭載。閉じた状態では、携帯電話のように片手で入力できるダイヤルキーを備え、スライドした状態では旧W-ZERO3と同じQWERTYキーを使えるデュアルキーボードを採用した点が特徴だ。ウィルコム 代表取締役社長 八剱洋一郎氏は[es]の理由について、「新製品開発の3つのコンセプトを表わしたものだ。1つはより小型軽量化を目指した『extra smart』。2つ目はデュアルキーボード採用による『edit speedily』。3つ目が外部接続に対応する『extended specifications』だ。これら3つの“es”が作り出す本能的に欲しくなる商品にしたかったからだ」と説明した。

 そのほかにも、日本語入力に新たにATOKを採用したほか、メーラーにMicrosoft Outlookに加えて同社独自の「W-ZERO3メール」を搭載した。さらにminiSDカードスロットを搭載して外部メモリに対応し、USBポートを搭載したことでプリンタや外部ストレージなどさまざまな周辺機器に対応できるようになった。

 Webブラウザは、Internet Explorer Mobileに加えてOpera Browserに対応。メール機能では、PCメール向けで、WordやExcell、写真の添付などもできるOutlookと、携帯電話のメールのように片手で操作しやすいように作られたオリジナルメーラー「W-ZERO3メール」も搭載した。また、USBホスト機能に対応。PCで利用しているUSBキーボードやデジカメを接続することができるほか、ワンセグチューナーや無線LAN、プリンタなどの専用外部周辺機器も出荷される予定だ。コンテンツ面では、電子書籍やゲーム、ニュースなどに加えて、W-ZERO3シリーズの専用ポータルサイトを開設し、ニューストピックや気象情報を提供するほか、ウィルコムのオフィシャルコンテンツとして着メロや待ち受け画像、ゲーム、オンライントレードなどを提供するとしている。

W-ZERO3 [es]にコメントを寄せるビル・ゲイツ氏。ゲイツ氏が他社製品にコメントを寄せることは極めて珍しく、同氏がW-ZERO3 [es]に寄せる期待の大きさが分かる
 スペックは、外形寸法が高さ135×幅56×厚さ21ミリで重さが約175グラム。CPUはIntel PXA270 プロセッサ 416MHz、Flashメモリが128Mbytes、SDRAMが64Mbytes。連続通話時間が約7時間、連続待ち受け時間が最大500時間となっている。カメラは有効画素数131万画素のCMOSイメージセンサーを採用。新たにマクロ撮影にも対応し、QRコードの読み取りもできるようになった。静止画はSXGA、VGA、QVGAでの撮影が可能で、動画はWMV形式での撮影ができる。

 八剱氏は、今後の周辺機器の計画として、Bluetooth対応のヘッドセットやハンズフリー機器、無線LANカード、外部プリンタ、デジタルカメラとの直接接続、ワンセグチューナー、プロジェクターなどを挙げた。中でも、プロジェクターは「ユーザーからかなり強い要望をもらっていたので対応したもの」(八剱氏)とし、強いニーズに応えて製品化を目指しているという。具体的には、USBに専用アダプタを接続することでVGA出力を可能にするとした。

 八剱氏は、W-ZERO3 [es]について「PCと携帯電話の双方の特徴を有した第3のコミュニケーションツールだ。今後、PCと携帯電話の橋渡し的な存在になっていくと思う」とコメント。また、マイクロソフト 代表執行役社長 ダレン・ヒューストン(Darren Huston)氏のプレゼンテーションの最後には、米マイクロソフト 会長兼チーフアーキテクト ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏がビデオレターでW-ZERO3 [es]向けに「W-ZERO3は素晴らしい市場を開拓しており、Windows Mobile市場が広がっている。今後もマイクロソフトはモバイルソリューション市場へ投資を続けていく」とコメントを寄せた。同氏が他社の個別製品にこのようなコメントを寄せるのは極めてまれなことから、同氏のW-ZERO3 [es]への期待度が分かる。

W-ZERO3 [es](黒)を開いてみたところ。従来と同じQWERTYキーと、携帯電話型キーの2種類のキーが備わっているのが分かる 白バージョンの裏側。有効画素数131万画素のカメラの下には、マクロ用のスイッチが配置されている
新たに搭載されたウィルコムオリジナルメーラー「W-ZERO3メール」の基本画面。シンプルなインターフェイスだが、POP/SMTPに対応するほか、自動振り分けやメールの保護機能などもそなえる
こちらも新たに搭載されたWebブラウザ「Opera Browser」の画面

(@IT 大津心)

[関連リンク]
W-ZERO3 [es]

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