「IBM DB2 9」登場、XML DBとRDBMSを統合し「第3世代」打ち出す

2006/7/8

 日本IBMは7月7日、リレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)の新製品「DB2 9」(開発コード名:Viper)を発表した。XMLデータをネイティブで取り込めるようにしたハイブリッド型が最大の特徴で、リレーショナルデータだけでなく、企業内に多数ある非構造データをXMLデータとして格納できる。日本IBMは「XMLをネイティブでサポートするのはDB2 9だけ」として、DB2 9を“第3世代データベース”として売り出す。

日本IBMのソフトェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部 事業部長 渡邉宗行氏

 日本IBMのソフトェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部 事業部長 渡邉宗行氏は、RDBMSが扱えるデータは企業内の2割に過ぎず、残りの8割は非構造データと指摘。そのうえでXBRLなど、XMLデータを使って非構造データを管理するケースが増えてきていることを挙げて、「業務プロセスの変化に柔軟に対応するにはXMLデータとリレーショナルデータの両方に対応する必要がある」と話した。

 DB2 9は、XMLのツリー構造のデータをそのままの形で格納できる「pureXML」を実装。リレーショナルデータもこれまで同様に扱うことができる。「XMLデータベース、RDBMSというまったく違うデータベースを1つにした」(渡邉氏)。それぞれのクエリ言語にも対応し、XQueryでXMLデータ、リレーショナルデータを検索でき、SQL言語でもXMLデータ、リレーショナルデータを検索できる。データベースのオプティマイザを改良し、1回のクエリでSQL、XMLの両方をスキャンをできるようにした。

 「競合他社にはXQueryをデータベース内でSQLに変換して検索する製品もあるが、DB2 9はSQL、XQueryのクエリモデルが1つ。データへのアクセスパスが1つなのでパフォーマンスが高い」(同社 ソフトウェア テクニカル・セールス&サービス Distiguished Engineer 菅原香代子氏)

 もちろん、従来からXMLデータを扱えるデータベースは存在した。1つはXML専用のデータベース。しかし、XML専用データベースはリレーショナルデータを扱うことができず、別にRDBMSを購入する必要があり、投資が二重になる。また、「スケーラビリティやパフォーマンス、セキュリティなどデータベース本来の機能が成熟していない」(渡邉氏)問題があった。

 もう1つはXMLデータをサポートする従来のRDBMS。RDBMSはXMLのツリー構造を分解してデータをテーブルに格納する「シュレッディング」や、テーブルの1列にそのままXMLデータを格納する「CLOB」の手法を採っているケースが多い。

 ただ、IBMによるとシュレッディングにはXMLスキーマが柔軟性を失い、変更に時間がかかる問題がある。CLOBには検索に時間がかかるなどの問題がある。同社が示した事例ではXMLデータの検索と取り込みプロセスの開発に、シュレッディングの場合は2時間、CLOBの場合は8時間かかった。対してDB2 9では同じ作業が30分で終了。またXMLスキーマの変更は従来型のRDBMSが1週間かかったのに対して、DB2 9は30分で対応できたという。

 データベースの基本機能も強化した。テーブルの行単位でのデータ圧縮を可能にし、ディスクの容量を最大70%削減できるようにした。また、従来のアクセス権の制限は列単位だけだったが、新開発のLBAC(Label based Access Control)を搭載し、行単位でも制限できるようにした。より細かなアクセス制御が可能になるという。

 DB2 9は個人ユーザー向けの「Personal」(5万2600円)と、「Express」(Authorized User:1万8900円、Processor:55万5700円)、中規模システム向けの「Workgroup Server Edition」(Authorized User:3万9900円、Processor:114万円)、大規模システム向けの「Enterprise Server Edition」(Authorized User:10万7000円、Processor:415万円)がある。Linux、UNIX、Windowsに対応。ほかに開発者向けに機能を一部制限した無償版の「DB2 9 Express-C」も用意する。ダウンロードでの提供は全製品とも7月28日から。メディアでの提供は9月22日から。

(@IT 垣内郁栄)

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日本IBMの発表資料

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