イー・モバイルはHuaweiも味方に無線基地局構築

2006/7/20

 イー・モバイルは7月19日、同社が準備中の移動体通信サービスの無線インフラ設備について、中国のHuawei Technologiesを追加サプライヤーに選定したと発表した。

 イー・モバイルは2006年3月に、エリクソンをコアネットワークの単独サプライヤーおよび無線インフラのサプライヤーの1社として選んだことを発表しており、この決定に変更はない。イー・モバイルは無線基地局設備をエリクソンとHuaweiの2社から調達することになる。

 無線基地局設備に関するエリクソンとHuaweiの分担は、地域を単位として分けられる予定。東京、名古屋、大阪エリアの担当はエリクソン、札幌、仙台の担当はHuaweiであることはすでに決まっている。そのほかのエリアについては決まっておらず、両社の最終的な分担比率も未定という。

左よりイー・モバイル社長兼CEO 種野晴夫氏、会長兼CEO 千本倖生氏、Huawei CEO 任正非氏、日本支社代表取締役 閻力大氏

 Huaweiを無線基地局ベンダとして選定した理由について、同社代表取締役会長兼CEO 千本倖生氏は、「第3世代の無線機器ベンダを十数社、極めて綿密に比較検討した。その結果、第3世代、3.5世代で最も実績のあるエリクソンを選んだが、同時にIP時代を見据え、われわれにとって最も魅力ある会社としてHuaweiを選んだ」と表現した。

 従業員約4万人のうち約2万人が研究開発に従事しているというHuaweiを、千本氏は「最先端技術についてたいへんな研究開発力がある」とし、W-CDMAやHSDPA、そしてIPの技術において、世界のトップレベルだと評価する。

 イー・モバイル代表取締役社長兼COO、種野晴夫氏は、「われわれの要望に細かく対応してくれる」ことも選定理由の1つとし、例としてHuaweiが高さ数十センチの小型無線基地局を開発したことを挙げた。イー・モバイルはエリクソンにも小型な基地局の提供を要請しており、これらを活用して迅速に基地局の展開を進めていきたいという。

 イー・モバイルはHSDPAを用いたデータ/音声サービスの展開計画を事業化当初より明らかにしているが、そのスケジュールに変更はない。2007年3月にデータ通信サービス(地域は東名阪)、2008年3月には音声サービス(東名阪と札幌、仙台など)をスタートする予定だ。

(@IT 三木泉)

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イー・モバイルの発表資料

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