“見える化”から“魅せる化”へ進化させた〜日本SGI

2006/7/28

 日本SGIとサン・マイクロシステムズは7月27日、コンテンツライフサイクルマネジメント(コンテンツ総合管理)ソリューション分野で協業すると発表した。日本SGIが推進するコンテンツ総合管理ソリューション体系「SiliconLIVE!」のプラットフォームにサン製品を採用する。

 SiliconLIVE!は、コンテンツ総合管理エンジンである「SiliconLIVE! Core」を中核に、デジタルコンテンツ制作・編集から、コンテンツ管理、著作権管理、コンテンツ配信に至るまでの工程をカバーするコンテンツ総合管理ソリューション。日本SGIは、SiliconLIVE!を充実させるためにアドビシステムズと協業を発表しているほか、イーブック・システムズに出資するなど、ソリューション拡大のための施策を数多く行っており、「SiliconLIVE!は日本SGIの次期主力製品だ。すでに売り上げの30%を占めるにまで至った。今後は倍々ゲームで売り上げを拡大していきたい」(日本SGI 代表取締役社長 和泉法夫氏)と抱負を語った。

左から、サン・マイクロシステムズ 代表取締役社長 末次朝彦氏、日本SGI 代表取締役社長 和泉法夫氏

 SiliconLIVE!のポイントについて、和泉氏は「製造業を中心に“見える化”が注目されているが、当社はさらに先を行った“魅せる化”の段階に入っている。既存のコンテンツをきちんと再利用することで、美しい映像で顧客を魅せることが重要だ」と説明。ある自動車メーカーでは、設計図やデザイン図、教育ビデオなど、顕在的にはコンテンツホルダーではないが、潜在的にコンテンツを持っている部署のコンテンツを掘り起こし、コンテンツを再構成したという。再構成したコンテンツでは、商談中に顧客に設計のこだわりポイントを実際の設計者が画面上で説明するなど、説得力の高いリッチコンテンツに変わったという。

 今回の協業によって、SiliconLIVE!の中核となるサーバにサン製品やSolarisを推進するほか、サンが強いWeb分野でSiliconLIVE!を合わせて売っていく。また、両社の販売ルートを使ってSiliconLIVE!ソリューションとサン製品を販売し、コンテンツ総合管理ソリューション分野を振興させていく。和泉氏は「ブロードバンドインフラも整備され、これからは映像の時代だ。その際には、コンテンツ管理やストレージを含むインフラが重要になってくる。今後、米SGIはハードウェアに特化した会社となり、日本SGIはグラフィックスを中心としたコンテンツ中心の会社に別々の道を進んでいく。SiliconLIVE!で利用するOSは従来はLinux中心だったが、今後は選択肢にSolarisやWindowsも入り、ユーザーのチョイスも増えるだろう」と語った。

 また、サンの代表取締役社長 末次朝彦氏は、「これからはコンテンツの時代だが、中でもビジネスガバナンスのコンテンツ管理の分野で日本SGIと協業していくことにした。日本のIT市場には、ガリバー企業がたくさんいるが、日本SGIと協力することによって、コンテンツ管理分野においては、ガリバー企業たちと渡り合っていきたい」と抱負を語った。

(@IT 大津心)

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