マイクロ秒の高速応答を実現、オラクルのインメモリDB「TimesTen」とは

2006/7/29

 日本オラクルは米本社が2005年6月に買収したTimesTen製品「Oracle TimesTen In-Memory Database」の国内での展開を本格化させる。同製品は高速なレスポンスが最大の特徴。通信企業や金融企業など従来から強みがある業種に加えて、コールセンターなど一般企業向けの展開も強化する。オラクルは「Oracle Database Lite」や、オープンソース・データベースの「Oracle Berkeley DB」も本格化させる計画で、組み込みデータベース事業に力を入れる。

米オラクルのリアルタイム&エンベデッド データベース製品開発担当 バイスプレジデント マリーアン・ニーマット氏

 TimesTenはデータ全体をメモリ上に格納するデータベース。リレーショナル・データベース管理システム(RDMS)と異なり、アプリケーション層で動作し、複数のスレッドやプロセスが同一のデータストアを共有する。
 
  アプリケーション・プログラムと同一プロセスで動作し、メモリ上に直接アクセスするアーキテクチャのため、高速レスポンスが可能。同製品を説明した米オラクルのリアルタイム&エンベデッド データベース製品開発担当 バイスプレジデント マリーアン・ニーマット(Marie-Anne Neimat)氏によると、4CPUのLinuxサーバの場合で、データの読み込みは9マイクロ秒(100万分の1秒)を記録。データの更新は28マイクロ秒で行うという。「リアルタイムが求められるシステムではこのくらいの要件が必須になっている」(ニーマット氏)。

 TimesTenは、アプリケーション・プログラムに配置するTimesTenライブラリからアクセスする。アプリケーションからTimesTenへのアクセスはODBC、JDBC、SQL-92などの標準的なAPIを利用する。メモリー上で発生するトランザクションログやキャッシュは適宜、ディスクに書き込む。メモリ上で展開するデータベースのため、扱うことができるデータ容量は最大で数十ギガバイト。

 TimesTenには本体のデータベースのほかに、別ノードに構築したTimesTenとデータを同期させることができるレプリケーションのオプションと、Oracle DatabaseとTimesTenの間で表や表の一部をキャッシュし合う「Cache Connect to Oracle」オプションがある。ニーマット氏はTimesTenの高速なレスポンスや可用性と、Oracle Databaseの高いスケーラビリティを組み合わせることのメリットを強調した。

 リアルタイム性能が求められるシステムでTimesTenは利用されている。CRMアプリケーションをホスティングし、エンドユーザーにサービスとして提供しているある企業は、ユーザーからのアクセスに応じてWebサイトをパーソナライズする機能をTimesTenで提供している。バックのOracle Databaseからデータを1度読み出しておけば、TimesTenにキャッシュされるため、ユーザーのアクセスに高速に応えることができるという。ほかに高速なオーダーの処理が求められる債権のトレーディングシステムなどでも採用されているという。

 ニーマット氏は2006年末にもTimesTenの新バージョンを発表することを明らかにした。Oracle Databaseのデータタイプへの互換性を高めて、アプリケーションの設定を変更しなくても、TimesTen、Oracle Databaseの両方に同じようにアクセスできるようにするという。

(@IT 垣内郁栄)

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