エクストリーム、共通OS搭載でボックス型スイッチなど強化

2006/8/4

 エクストリーム ネットワークスは8月3日、エッジからアグリゲーション(集線)部分をターゲットとしたボックス型スイッチ「Summit X450」シリーズ4製品と、シャーシ型スイッチ「BlackDiamond 8800」シリーズ用I/Oモジュール4製品を発表した。

 エクストリームは自社の製品の機能や使い勝手を共通化してソリューションを構築しやすくするとともに、機能のモジュール化による柔軟性を実現するため、自社製品のOSを「ExtremeOS」に統一する作業を順次進めている。

 同社取締役社長 井戸直樹氏は、「(今回の製品発表で)ExtremeOS搭載製品がフルセットで提供できるようになった。エクストリームはもともとボックス型製品が強いが、今回は特にこの部分を拡充することができた。今後はExtremeOSの機能強化を図るとともに、ExtremeOSの機能をさらに生かすような新製品を出していきたい」と語った。

エクストリームネットワークス プロダクトマーケティングマネージャ 島宣博氏

 8つの新製品における主な機能は共通。従来「BlackDiamond 10808」「BlackDiamond 10804」シリーズでしか利用できなかったポリシーベース・ルーティングを、より低価格な今回の製品でも実現したこと、ネットワーク監視やセキュリティ対策を目的としたsFlowデータの収集が、ハードウェアによってサンプリングできるようになったこと、IPv6ルーティングのハードウェアアシスト機能が加わったこと、アプリケーション単位のパケット・シェイピング(帯域制御)ができるようになったこと、24ポート単位で最大2048のACL設定が可能になったことなど。ポリシーベース・ルーティングは、同社のセキュリティアプライアンス「Sentriant」シリーズと組み合わせたセキュリティソリューションに活用できる。

  Summit X450シリーズの新製品は「Summit X450e」「Summit X450a-24t」「Summit X450a-24DC」「Summit X450a-48t」。10/100/1000Mbpsのイーサネットポートを24あるいは48すべて10Gbps接続用に2つのスロットが用意されており、これにXENPAKあるいはXFPのモジュールを挿すことができる。

 Summit X450eはエッジ用スイッチで、ギガビットイーサネット対応のPOE(ケーブルを通じた給電)ポートを備えている。これは、IP電話機の背後で接続するPCのトラフィックが増加していることや、無線LANアクセスポイントの接続ニーズに対応した機能。この製品は24ポート構成だが、「今後、48ポート版の発売も計画している」と同社のプロダクトマーケティングマネージャ 島宣博氏は話した。

 Summit X450シリーズでは「Summit X450-x/24t」という既存製品があるが、顧客の投資保護の観点から、この製品の販売とサポートは継続するという。

 一方、BlackDiamond 8800シリーズの新製品は「G48Pe」「G48Te」「G48Ta」「G48Xa」。このうち「G48Pe」はSummit X450eと同様のギガビットイーサネットPoE対応製品だ。

 新製品の価格は、Summit X450シリーズが96万円から、BlackDiamond 8800シリーズ用のモジュールは152万円から。「製品機能は向上しているが、価格は従来の製品に比べて大幅に下げた。競合他社製品と比較しても、コスト面での競争力は高い」(島氏)。

 エクストリームではこれらの製品で500〜5000人規模の企業のエッジと集線のニーズをカバー、中小企業に対してはコアスイッチとして使える機能を訴えていく。ファウンドリーネットワークスの製品が最大のライバルだという。

(@IT 三木泉)

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エクストリームネットワークスの発表資料

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