法人と家庭の双方を狙うRAID 5対応のNAS製品

2006/8/24

アイ・オー・データ 代表取締役社長 細野昭雄氏

 アイ・オー・データ機器は8月23日、法人と家庭の双方に向けたRAIDストレージによるNAS製品を9月下旬に出荷開始すると発表した。脱着式のカートリッジに組み込まれた4台のディスクドライブで構成、使いやすさと家庭法人向け製品に見られるデータ保護機能を低価格製品に盛り込むことで、新たな市場を開拓する。

 新製品シリーズ「LANDISK Tera」は、250Gバイト×4台のディスクドライブを備えた「HDL-GT1.0」と、500Gバイト×4台を備えた「HDL-GT2.0」の2モデルで構成されるNAS製品。CIFS、FTP、AppleShareに対応したファイルサービスを提供する。標準小売価格(税別)は、HDL-GT1.0で10万6300円、HDL-GT2.0で21万900円。

 LANDISK Teraの開発コンセプトは、「ビジネス向けNASの機能を家庭向け(にも使える)製品に落とし込むこと」。同社 代表取締役社長 細野昭雄氏は、「ホットスワップのような機能は家庭向けの製品にこそ必要」と力説する。

LANDISK Teraシリーズ

 LANDISK Teraシリーズの主な特徴は、脱着式のホットスワップ対応カートリッジの採用、法人向け製品に見られるRAIDオプションの採用、アクティブリペアなどの信頼性機能の搭載、の3つ。

 同シリーズでは、ディスクドライブを新たに同社が開発した独自カートリッジに組み込んでおり、前面から1台ずつ抜き差しすることができるようになっている。このカートリッジは同社の3.5インチSATAハードディスクカートリッジ規格「Relational HD」として展開される。今後PCの5インチベイ内蔵アダプタや外付けハードディスク製品に採用されることで、機器間での容易なデータのやりとりが可能になるという。ディスクドライブをこのカートリッジに組み込んだ製品もオフションとして販売される。9月下旬の時点では、250Gバイトと500Gバイトの容量のみだが、今後300Gバイト、400Gバイト、750Gバイトの製品も追加の予定。

 RAIDレベルは、0、0+1、5に対応。RAID 5については3台でこれを構成し、残る1台を独立したFAT/NTFSドライブとして抜き差しして使う方法も選択できるようにしている。

 信頼性機能に関しては、エラーセクターをスキャンしてデータの自動修復を行うアクティブリペア機能のほか、不良ドライブを自動的にRAIDメンバーから除外する機能、さらにケース内温度の異常上昇やディスクエラー、バックアップ作業完了などを電子メールで通知する機能を備える。

 家庭向けの特徴としては、DLNA準拠のホームメディアサーバ機能を搭載。LANDISK Tera上のコンテンツをLAN接続されたテレビに映し出すといったことができるようにしている。
同シリーズでは、2006年12月31日までに購入あるいは申し込みのユーザーに対し、1年間のオンサイト保守サービスを無償で提供する。

 アイ・オー・データでは、同シリーズの販売目標を月間約3000台(2〜3億円)としている。このうちの法人向けと家庭向けの比率について細野氏は、「当初は企業中心で、企業向けの割合が7〜8割にならざるを得ないかもしれない」と話している。

(@IT 三木泉)

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アイ・オー・データの発表資料

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