SNSで広がるスパイウェア、国内SNSは?

2006/8/24

 ウェブルート・ソフトウェアのテクニカルサポート ディレクター 野々下幸治氏は8月23日会見し、ユーザーの個人情報などを外部に配信してしまうスパイウェアについて、「米国ではMySpaceなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を使ってスパイウェアを配布するケースが増えている」と説明した。国内SNSを悪用したスパイウェアの感染は「現状では、ない」(野々下氏)が、SNSにはコンピュータ初心者が多いとされ、注意が必要としている。

ウェブルート・ソフトウェアのテクニカルサポート ディレクター 野々下幸治氏

 MySpaceを悪用したスパイウェアの配布では、ユーザーにMySpaceのプロフィール欄を閲覧させる。プロフィールには自身を紹介する動画が掲載。動画を見るには動画のコーデックが必要で、ユーザーはダウンロードを求められる。しかし、コーデックにはスパイウェアが含まれていて、コーデックをダウンロードするとスパイウェアに感染してしまう。

 ウェブルートの調査によると、2006年第2四半期の個人ユーザーのスパイウェア感染率は89%。ほとんどのPCが何らかのスパイウェア(トラッキングクッキー、トロイの木馬、アドウェア含む)に感染している計算だ。PC1台当たりでは平均30個のスパイウェアに感染しているという。野々下氏は、「ルートキットの技術を利用したトロイの木馬が増加し、検知・駆除がより難しくなっている」と解説。機能しないセキュリティソフトウェアをユーザーにダウンロードさせて、ソフトウェア料金をだまし取るスパイウェアも増えているという。

 企業ユーザーでは2006年に入り、キーロガーや、PCをリモートコントロールするシステムモニタ型のスパイウェアが増加しているという。2005年第4四半期から2006年第1四半期にかけてシステムモニタ型スパイウェアの感染数は18%増加。2006年第2四半期では、PC1台当たりのシステムモニタ型スパイウェアの平均感染数は1.3個だという。スパイウェア全体ではPC1台当たり平均19.0個のスパイウェアに感染。野々下氏は「スパイウェアが減るような傾向は出ていない」と話した。

(@IT 垣内郁栄)

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