10Gデスクトップ時代は来ないと思っていませんか

2006/8/26

エンタープライズソリューションズ担当 シニアバイスプレジデント ピーター・カールソン氏

 ケーブルやパッチパネルなどの配線ソリューションを提供しているシスティマックス・ソリューションズは8月25日、報道関係者を対象に同社の事業について説明した。

 同社は最近特に、UTPケーブルによる10Gbps対応のデスクトップ接続ソリューション「GigaSPEED X10D(エクステンド)」に力を入れている。ケーブル、パッチパネル、パッチケーブルなど、レイヤ1の接続コンポーネントを大規模顧客向けに一括して提供する方式で事業を進めているという。

 同社のエンタープライズソリューションズ担当シニアバイスプレジデント ピーター・カールソン(Peter Karlsson)氏は、「近年では企業活動がますます国境にかかわらず展開されるようになってきている。一方で企業は、少数の大規模なデータセンターにITリソースを統合するようになってきている。これは大規模企業を国際的にサポートしている当社にとって願ってもないこと」と説明した。

 カールソン氏は、10Gbps接続が今後数年のうちに、まずデータセンター内で導入され、その後にデスクトップ接続で普及すると主張する。「ギガビットイーサネットについても、当初は誰もが懐疑的だった。しかし現在では、PCがギガビットイーサネットポートを搭載することは当たり前になってきている」と話す。

 米ルーカスフィルム、デンマークのデロイト、米サン・マイクロシステムズ、インドの調査会社ヴィムタ・ラブズといった企業は、同社のソリューションですでにデスクトップへの10Gbps対応UTPケーブル配線を導入しているという。

 同氏は光ファイバケーブルによるデスクトップへの配線には、一般の配線に比べて2〜3倍のコストがかかるが、UTPケーブルを使えばコスト上昇を30%程度に抑えることができる、とUTPケーブリングのメリットを強調した。

iPatchリアルタイム・インフラストラクチャ・マネジメント・システム。中央の液晶パネルに接続ステータスや作業指示を表示する

 システィマックスは「iPatchリアルタイム・インフラストラクチャ・マネジメント・システム」も紹介した。これはパッチパネルに電気回路を組み込み、ケーブルの抜き差しを検知できるようにしたシステムと、パッチパネル用の液晶パネル、そしてPC上で動作する管理ソフトウェアを組み合わせたもの。スイッチなどのネットワーク機器からSNMPで入手できる接続情報を併用して、配線に関するドキュメント作成作業の軽減や、セキュリティ対策、配線作業における誤りの回避などを実現する。

 予定されていない配線変更が発生したり、これまでに接続されたことのない端末が発見されると、管理ソフトウェアが警告を発する。また、管理ソフトウェア上から、パッチパネルにおいて必要とされる作業についての指示を出し、これを液晶パネルに表示させることも可能。

  同日、システィマックスの日本代表に就任したジェイ・ランブクポタ(Jay Rambukpota)氏は、今度戦略的なパートナーを発掘しながら、日本における事業を拡大していきたいと話した。

(@IT 三木泉)

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システィマックス・ソリューションズ

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