2010年で2000億円、NECがRFID事業に本気

2006/8/29

データ収集から共有、追跡までRFIDで可能

 NECは8月28日、RFID関連事業を強化すると発表した。UHF帯およびEPCglobalに対応した「UHF帯RFID統合ソリューション」を体系化し、同日から販売を開始する。RFID読み取り精度の検証を行う実験センター「ユビキタスソリューションウェアハウス」も新設した。同社では、同事業で2010年に2000億円の売り上げを目指す。

 「UHF帯RFID統合ソリューション」は、RFIDの導入コンサルティングからビジネステンプレート、ミドルウェア、RFIDタグとリーダー/ライターなどのデバイスを体系化したもの。実証実験や試験的なシステム導入、基幹システムとの連携を含めたRFID関連のトータルサービス提供を目指す。

 「ユビキタスソリューションウェアハウス」は2006年10月に設立予定。模擬環境を構築し、タグ貼付やリーダー/ライター設置場所の最適化検証、読み取り精度や距離に関する性能検証を行う。さらに、「ユビキタスソリューションウェアハウス」とNEC海外現地法人が連携し、顧客システムのグローバルサポート体制を構築する。

 2010年時点における2000億円の目標売り上げのうち、1000億円は「UHF帯RFID統合ソリューション」を中心としたソフトウェア・パッケージ事業、残りの1000億円は、企業独自のニーズに基づいたカスタム開発案件で見込んでいる。前者のソフトウェア・パッケージ事業では、コンサルティング関連サービスが600億円、ハードウェアやソフトウェア・テンプレートで400億円という内訳である。後者のカスタム開発案件は、RFIDの技術をセキュリティシステムやマーケティングシステムに応用するなどのユニークなニーズを想定している。

 日本電気 ユビキタスソリューション推進本部 本部長 松尾泰樹氏は「電機、アパレルなど、製造・物流業界を中心に長距離での読み取りが可能なUHF帯のRFIDを用いたシステムの導入検討が具体化しつつある」とし、現在がRFID市場の立ち上がり段階にあると指摘した。

 同社は2004年1月にRFID事業推進センターを設立(専任担当者40人)、同事業への本格参入を開始した。2004年5月には国内ベンダでは初めて無線ICタグの標準化団体EPCglobalに参加している。今回の事業体制強化によって、NECグループのRFID関連事業要員を300人に増員する。

(@IT 谷古宇浩司)

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NECの発表資料

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