ユビキタスに続くバズワードは「M2M」? アッカなどが業界団体設立

2006/9/7

 アッカ・ネットワークス、ウィルコム、マイクロソフトの3社は9月6日、さまざまなデバイス同士をネットワークで接続するM2M(Machine to Machine)の業界団体「M2M コンソーシアム」を設立したと発表した。デバイスやネットワーク、アプリケーションのM2Mに関する技術をコンソーシアム内で整理し、実際の現場に適したソリューションを開発、M2Mビジネスを拡大するのが狙いだ。

左からマイクロソフトの執行役 専務 ゼネラルビジネス担当 眞柄泰利氏、アッカの代表取締役副社長 湯崎英彦氏、ウィルコムの執行役員 瀧澤隆氏

 3社を合わせて21の企業、団体が参加した。コンソーシアムは30社程度まで参加企業を増やす考え。アッカの代表取締役副社長 湯崎英彦氏は「コンソーシアムをM2Mの新しいソリューションを生み出すオープンな場にしたい」と語った。湯崎氏は「ユビキタス・コンピューティングと、ユビキタス・ネットワークがバラバラに存在しているのが課題。M2Mはこの2つをつなぐソリューションになる」とも話し、M2Mをユビキタスの課題を解決する技術に位置付けた。

 M2Mの対象とコンソーシアムが考えているのは、産業機械をはじめ、医療やセキュリティ、流通、防災などで利用するデバイス。これらのデバイスを相互接続することで、デバイスの遠隔管理や自動化、データの有効活用が可能になると見ている。M2Mソリューションを適用可能な産業機械などのデバイスは国内に1000万台規模であるとの認識で、湯崎氏は「ばく大な市場がある」と期待を示した。コンソーシアムは参加企業に対して情報交換の場だけでなく、閉域網、PHS、IPv6などのネットワーク技術情報や、Windows OS、Microsoft SQL Serverに関する情報を提供する。

 コンソーシアムは3つのワーキンググループ(WG)を設ける。基盤技術WGではネットワークリソースの有効活用について検討し、データフォーマットの統一やアプリケーション連携などについても話し合う。製造業WGでは産業機械をリモート監視することによる予防保全、予知保全、遠隔監視を研究し、センサーやRFID、カメラなどを使った製造工場の運営自動化を目指す。流通業WGではPOSデータとセンサー、RFID、カメラを連携させたソリューションなどについて検討する。1年後には製造・流通業での事例を発表する考えだ。

 マイクロソフトの執行役 専務 ゼネラルビジネス担当 眞柄泰利氏は「コンソーシアムの成果でM2Mのハードルを低くして幅広く使ってもらいたい」と述べた。ウィルコムの執行役員 瀧澤隆氏も「M2Mはこれまで大きめの顧客との1対1の関係が多かったが、コンソーシアム設立によってソリューションをパッケージ化し、幅広い顧客に提供できるようにしたい」とコンソーシアムへの期待を語った。

(@IT 垣内郁栄)

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アッカの発表資料

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