「SAPに認められた」、富士通がSAPとのグローバル協業拡大

2006/10/6

 富士通と独SAP AGは10月5日、プラットフォームに限った従来の協業を世界規模のサービス分野に拡大すると発表した。富士通は国内企業初の「SAPグローバル・サービス・パートナー」に認定。富士通はSAPコンサルタントを今後3年で約3倍に増加させ、SAP関連売り上げの倍増を狙う。

富士通の代表取締役副社長 伊東千秋氏(左)とSAP Asiaの社長兼CEO ハンス-ピーター・クレイ氏

 SAPグローバル・サービス・パートナーに認定されたことで富士通は、SAP関連の構築サービス、アウトソーシング、ライセンス販売を世界規模で行えるようになる。富士通の代表取締役副社長 伊東千秋氏は「SAP関連ビジネスのすべてのエリアでエンド・ツー・エンドのサービス提供が可能になる」と説明した。両社は営業やマーケティング活動でも協力を強化。富士通は、ドイツ・ワルドルフに設置している「Global Fujitsu SAP Competence Center」にサービス部門のサポート部隊を新設する。

 SAP関連サービスを強化するために富士通はグローバルのSAPコンサルタントを、2008年度末までに現状の1000人から2500人以上に増やす。SAP関連売り上げは2008年度末までに現状の2倍の約1000億円まで増大を目指す。伊東氏は「買収戦略を含めてコンサルタントの増加を実現する」と話し、米国、アジアを中心に中小規模のコンサルティングファームの買収を続ける考えを示した。

 富士通は昨年来、米国、アジアなどでコンサルティングファームの買収を続けていてコンサルティングビジネスの強化を続けている。伊東氏は「SAPグローバル・サービス・パートナーになりたいと長くSAPに言ってきたが、実際のケーパビリティがなかった。米国、アジアで買収をしてきたことでグローバルのケーパビリティができたとSAPに認められた」と話した。

 富士通は海外での売上比率を2009年度までに現状の30%から50%以上にすることを目標としている。そのためには世界の大企業で広く利用されているSAP関連のビジネス拡大が必須。伊東氏は「50%超を実現するためにはアグレッシブに何でもやっていく」と強調し、特に欧米でのビジネス拡大に期待を示した。富士通とSAPは、富士通の「Interstage」、SAPの「SAP NetWeaver」などミドルウェア同士の検証も行い、ソリューションを開発する。SAP Asiaの社長兼CEO ハンス-ピーター・クレイ(Hans-Peter Klaey)氏は「協業では共同の技術革新にフォーカスしたい」と話した。

(@IT 垣内郁栄)

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富士通の発表資料
SAPジャパン

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