「ライバルはWindows XPだ」、MSがWPCでVistaアピール

2006/10/19

 米マイクロソフトのコーポレートバイスプレジデント マイケル・シーバート(G.Michael Sievert)氏、クリス・カポセラ(Chris Capossela)氏は10月18日、都内で開催中の「WPC TOKYO 2006」で講演し、「Windows Vista」「the 2007 Microsoft Office system」(Office 2007)について「検索機能で、PCだけでなく社内のドキュメントや電子メール、構造化データ、そして専門家も探すことができる」と話し、検索機能のビジネスへの貢献を強調した。

米マイクロソフトのWindowsクライアント マーケティング担当 コーポレートバイスプレジデント マイケル・シーバート氏(左)と、同 マイクロソフト ビジネス部門担当 クリス・カポセラ氏

 シーバート氏は「検索機能はPC利用で大切になっている」と指摘した。インターネットの検索技術ではグーグルなどが先行するが、シーバート氏は「ビジネスへの統合を考えるとシンプルな形が求められる。われわれはOSにネイティブに検索機能を組み込むことでシンプルさを実現する」と話し、他社技術との違いを強調した。

 Windows Vista、Office 2007への検索機能搭載は、グーグル対抗との見方があるが、シーバード氏は「Windows Vistaの最大のライバルは世界で最も採用されているWindows XPだ」と話し、グーグルを意識しているとの見方を否定。「Windows XPで得られる体験をより直感的に、シンプルにできるかを考えて開発した」と開発方針を説明した。

 マイクロソフトがWindows Vista、Office 2007で検索機能をアピールする背景には、オフィスの生産性向上の鍵の1つが、大量の社内コンテンツの中から必要な情報を素早く探すことにあると判断しているからだ。Windows Vistaでは検索結果と連動し、アプリケーションを起動しなくても検索したファイルをプレビューできる機能を搭載した。ファイルだけでなく、アプリケーションや「コントロールパネル」の機能なども検索可能。検索機能を活用することで作業効率をアップし、本当に重要な作業にユーザーが集中できることをマイクロソフトは訴えている。

マイクロソフトはWPCのブースに200台以上のPCを設置。VistaとOffice 2007を来場者が試せるようにしている

 マイクロソフトの代表執行役 社長 ダレン・ヒューストン(Darren Huston)氏は「日本はデジタルライフサイクルでは先を行っているが、デジタルワークスタイルでは西欧よりも遅れている。Windows Vista、Office 2007で生産性向上に貢献したい」と話した。

 Windows Vistaは第4四半期(10-12月)に製造工程向けリリース(RTM)を迎え、開発を完了する予定。企業向けには11月に提供開始し、2007年1月に一般ユーザー向けに出荷する計画だ。シーバート氏は一般ユーザー向けの提供について「おそらく1月後半になる」と説明した。Office 2007のリリースは企業向けが2006年末まで、一般ユーザー向けは2007年の早い時期としている。

(@IT 垣内郁栄)

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