グロービア、最新バージョン「glovia.com v9」発表

現場との断絶を起こさない生産システムは、SOX法対応でも注目

2006/10/24

 グロービア インターナショナルは10月24日、報道関係者向けの説明会を開催し、組み立て製造業向け生産管理パッケージの最新バージョン「glovia.com v9」の新機能を紹介した。

glovia01.jpg 「glovia.com v9」の機能説明図

 新機能は、「時間・分単位への対応による高精度の計画・実行環境」「XML/Webサービス対応による製造サービスプラットフォーム」「新GUIの開発」の3点。

 従来バージョンでは、“日”単位で行っていたMRP(所要量計算)、MPS(基準計算日程計画)を15分単位で計画・実行できるようになり、APSやスケジューラとの連携が可能となった。また、時間・分単位に対応するため、glovia.com v9ではデータ構造を再構築、これに伴ってGUIも実際に作業するユーザーに合わせて再構成している。

 従来バージョンでもXML対応していたが、今バージョンでは100を超えるXMLトランザクションとWebサービスを持つ。BizTalkサーバなどとのSOAP接続にも対応し、他システムと連携する機能を充実させている。これにより異なるシステム同士、例えば需要側の外部システムと供給側の外部システムを仲立ちして、「何を」「いつ」「いつまでに」「いくらで」という需給の回答をそれぞれのシステムに行う、「製造サービスプラットフォーム」として活用できるようになっている。

 アーキテクチャ上の大きな変更点としては、共通コンポーネント化の実現がある。従来の7.3では、Windows GUIクライアントやEDI、HTML、XMLなどインプットサイドごとに異なるコンポーネントで処理していたものを、v9ではすべて共通のコンポーネントに処理するようにした。他システムと接続してデータ入力があった場合でも必ずglovia.comのセキュリティやロジック、業務ルールをクリアしたものだけがデータベースに格納されるため、SOX法対応などの面でユーザーに注目されているという。

 グロービア インターナショナルのバイスプレジデント 田村元氏は「現在、ほとんどの基幹システムの最小単位はいまだに“日”になっている。ところが実際の業務の現場では、“○日の13時に納品”というようなコミットメントを行っており、システムが業務の実態とはそぐわなくなっている。このため、現場ではExcelを使うなど業務遂行しており、現場と基幹システムとの間に断絶があった。glovia.com v9では現場で実際に行われているレベルにまで精度を高め、断絶を起こさないシステムを作った」と新バージョンの意義を述べた。

 glovia.com v9の販売目標は、2007年度末までに30サイト。従来、富士通系パートナーを別にするとほぼすべてが直販だったが、今後は「生産管理に密着しているパートナーを増やしていきたい」としており、パートナー経由の販売を増やしていく意向である。

(@IT 鈴木崇)

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