Backup Execの新バージョンが発表

Exchangeの継続的保護に重点を置くシマンテックの新製品

2006/11/02

 シマンテックは11月2日、バックアップ/データ保護ソフトウェアの新製品「Symantec Backup Exec 11d」(BE 11d)を発表した。新バージョンでは、データ復旧を中心として各種の機能を改善した。BE 11dは、中堅・中小規模企業を対象とした同社のセキュリティ/アベイラビリティ・ソリューションの1要素であるデータのセキュリティとアベイラビリティ管理における重要な構成要素。同社は大規模・異機種混合環境のバックアップは「NetBackup」、中堅・中小規模企業のWindowsを中心とした環境のバックアップはBEというすみ分けを今後も維持していく。

be10d01.jpg Backup Exec 11d

 Microsoft Exchangeの継続的データ保護は、新バージョンの最大のポイント。BE 11dのバックアップ機能ではMicrosoft Exchangeのデータをリアルタイムで複製する設定が可能となっている。従来はデータベースのバックアップに加えてメールボックスのバックアップが必要だったため、バックアップ作業には長時間を要していたが、新バージョンではデータベースのバックアップだけですむようになった。Exchange Serverの障害時には直前のデータを復旧することができる。また、最低15分単位で取得可能なスナップショットを用い、以前の時点にさかのぼって回復することもできる。

 継続的データ保護(Continuous Data Protection:CDP)は先進的な技術として一部ユーザー企業の注目を集めているものの、複雑なイメージがつきまとい、まだ広く普及するに至っていない。しかし同社データ&システムマネジメントグループ担当副社長のディーパック・モハン(Deepak Mohan)氏は、「まずExchangeで使ってもらうことが、CDPのよさを実感してもらういいきっかけになる」と話す。

 第2のポイントはきめ細かな復旧が可能になったこと。Exchangeについてはメッセージ、フォルダ、メールボックス単位でのリカバリができる。またActive Directoryについてはユーザーやプロパティの単位で復旧が可能。SharePointについてはドキュメント単位で、SQL Server 2005についてはスナップショット単位でリカバリが可能。

 新バージョンでは、ネットワークアプライアンスのNAS製品のバックアップも実現、さらにOracle RAC/RMAN、IBM DB2などのサポートも追加した。

(@IT 三木泉)

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