企業に求められるセキュリティ対策

「ユーザーの信頼でオンライン取引は拡大する」、米シマンテックCEO

2006/11/02

 米シマンテックの会長兼CEO ジョン・トンプソン(John W. Thompson)氏は11月2日、都内で開催したプライベートイベント「SymantecVision2006」で講演し、「ITをビジネスに利用する企業はコンシューマ(一般消費者)に対して信頼を与えないといけない」と語り、電子商取引などを行う企業のセキュリティ対策の重要性を訴えた。

symantec01.jpg 米シマンテックの会長兼CEO ジョン・トンプソン氏

 トンプソン氏はインターネットの登場で企業と一般消費者の間の境が見えにくくなっていると指摘。そのうえで「企業が一般消費者向けの技術を活用するケースも増えてきた。一般消費者が利用する技術の方が進んでいることも多い。特にセキュリティはそうだ」と語った。

 シマンテックは一般消費者がオンライン取引を安全にできるようにする「ノートン・コンフィデンシャル」を販売している。トンプソン氏は「一般消費者に信頼を与えることでオンライン取引はまだまだ広がる」と語り、セキュリティソフトウェアの利用を呼びかけた。

 一方、企業内部のセキュリティでは電子メールやオフィス文書などの非構造データがリスクの要因になっている。米シマンテックのCTO兼エグゼクティブ バイスプレジデント マーク・ブレグマン(Mark Bregman)氏は、企業の知財の75%が社員の電子メール内に記述されていることや、企業が巻き込まれる訴訟のうち、75%が電子メールの内容に関係しているとの米国でのデータを紹介。50個のファイルのうち1個は企業の機密情報を含んでいることなども説明し、「悪いものは中に入れない、重要なものは外に出さないための取り組みが重要だ」と話した。

 セキュリティ同様にコンプライアンス対応も企業の火急の課題。ブレグマン氏によると社員が行っている業務のうち、70%は法規制や社内ポリシーに従う必要がある業務。コンプライアンスの確立と同時に企業は、「コンプライアンス対応の自動化を進めて、コストをいかに下げるかが迫られている」とブレグマン氏は強調した。

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(@IT 垣内郁栄)

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