新 電子コンテンツ配信サービス事業

「2006年は電子雑誌元年と言われるだろう」、アドマガ

2006/11/07

 学研と同社の子会社アドマガは11月7日、電子コンテンツ配信サービス事業を開始すると発表した。紙媒体のコンテンツを電子媒体向けにカスタマイズするのではなく、専用のコンテンツ配信システムに特化した電子コンテンツを制作し、流通させる。ユーザーから閲覧料は取らず、企業から配信料収入を得る仕組み。2008年度で6億5000万円の売り上げを見込んでいる。

須摩春樹氏写真 アドマガ 代表取締役社長の須摩春樹氏

 中国・台湾で成功した電子コンテンツ配信事業のモデルを日本に持ってきた。中国のXplusという企業は電子コンテンツ配信の事業で、サービス開始から700万人のユーザーを獲得している(アドマガ)という。

 電子コンテンツ配信ポータルサイト「アドマガ」を介して、クライアント(主に出版社)からコンテンツの制作・掲載・配信依頼を受け、制作料および配信料を得る。ユーザーはポータルサイトから自分の読みたい電子コンテンツをPCにダウンロードする。コンテンツの配信管理はアドマガランチャーと呼ばれるランチャーソフトウェアで行う。ユーザーのコンテンツ閲覧時間などのデータがアドランチャーを通じてサーバに蓄積されるため、履歴やアンケートなどのユーザーの閲覧情報を、閲覧レポートとしてクライアントに返すことも可能(有料)。

 また、企業や団体から受注して、販促・ユーザーサービス・情報伝達などのために、クライアント用の電子コンテンツを専用ランチャーや配信領域を使って指定されたユーザー(会員・取引先など)に配信するサービスも用意している。

 日本の出版社各社は、紙媒体の電子化事業を模索している最中。一部の出版社が紙媒体のコンテンツを専用ブラウザに移し変えて読者に有料で販売する事業を展開しているが、なかなかうまくいっていないのが実情のようだ。アドマガ 代表取締役社長の須摩春樹氏によると、紙媒体の制作ワークフローを電子媒体に適用するには現時点では技術的に難しいとする。「電子コンテンツに最適化したDTPシステムが必要だ。出版各社は現在、その基礎固めをしている最中」だと話す。そのうえで、「2006年は将来から見れば、電子雑誌元年といわれるだろう」とする。

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(@IT 谷古宇浩司)

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