Windows Vista製品版が登場

ショップで買えない「Windows Vista Enterprise」の価値とは

2006/11/21

 マイクロソフトは11月21日説明会を開き、「Windows Vista」の製品版を公開した。説明会では新しい起動音などを披露。導入支援の施策も相次ぎ発表した。

 変更が加えられたインターフェイスなども紹介し、Windows Vistaの主要機能を説明した。マイクロソフトのWindows本部 本部長 ジェイ・ジェイミソン(Jay Jamison)氏は「ハイクオリティな製品になった。非常に自信がある」と語った。

vista01.jpg マイクロソフトのWindows本部 本部長 ジェイ・ジェイミソン氏

 同日発表した支援策は「Windows Vista対応支援センター」の設立と「Windows Vista Enterprise アップグレードキャンペーン」の開始。支援センターはWindows Vista向けにアプリケーションやデバイスを開発するパートナーや、企業内の開発者、エンドユーザー向けの施策。ポータルサイトを12月1日に開設し、Windows Vistaの互換性についての情報を集約する。「開発者はこのポータルサイトに来れば、必要な情報はすべて手に入る」(マイクロソフトのWindows本部 ビジネスWindows製品部 マネージャ 中川哲氏)ことを目指す。

 ポータルを通じてアプリケーションがWindows Vistaで動作するかを調べられるツール「Application Compatibility Toolkit」を来年1月に配布予定。同ツールはアプリケーションのインベントリを取得し、APIのエラーログを基にマイクロソフトのデータベースに照会。必要な場合、アプリケーションの修正方法が案内される。ツールは現在、英語版で配布中。1月には日本語版が用意される。

 開発者向けにはほかに互換性情報を集めたサイトやトレーニングもポータルで案内する。エンドユーザー向けには、自分のPCでWindows Vistaのどのエディションが利用可能かを調べることができる「Windows Vista Upgrade Advisor」を1月に提供する。

 アップグレードキャンペーンは、企業ユーザーを対象に、Windows XP Professionalを「Windows Vista Enterprise」にアップグレード可能な「ソフトウェアアシュアランス」を通常価格の33%引きで販売する内容。Windows Vista Enterpriseはハードディスクドライブを暗号化する「BitLocker」など企業向けの高度な機能が使えるエディションで、ソフトウェアアシュアランスを契約しているユーザーだけが使える。ジェイミソン氏は「多くの企業はWindows Vista Enterpriseを使う」と見ている。

 アップグレードキャンペーンはWindows Vista Enterpriseを使って、ソフトウェアアシュアランスの拡大を図る狙いが強い。ジェイミソン氏自身が「いまのところ、ソフトウェアアシュアランスはそれほど普及していない」として「このプロモーションは実際はソフトウェアアシュアランスの認知度を高めるためのもの」と話す。ソフトウェアアシュアランスは、契約期間中に発売される製品のアップグレードが追加料金なしで行えるプログラム。

 アップグレードキャンペーンは2007年1月1日から3月31日までの期間中に、Windows XP Professionalを搭載したPCを購入した企業ユーザーが対象。ボリュームライセンスプログラムのOpen Licenseか、Open Valueのソフトウェアアシュアランスが通常の33%引き(Open Licenseは2年間の契約金に対して33%引き、Open Valueは3年間の契約金に対して33%引き)で提供される。

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(@IT 垣内郁栄)

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