SNS、ブログの台頭で

「ビジネスワーカーの電子メール利用が半減」、ガートナーが5年後予測

2006/11/30

 「今後5年でビジネスワーカーの電子メール利用が半減する」。ガートナー ジャパンのリサーチ ITデマンド・リサーチ担当 リサーチ ディレクター 志賀嘉津士氏は、同社が行ったユーザー企業調査からこのような予測を立てる。SNSやブログなどWeb 2.0関連のコミュニティ手段が企業内で急速に普及するのがその理由だ。

web01.jpg ガートナー ジャパンのリサーチ ITデマンド・リサーチ担当 リサーチ ディレクター 志賀嘉津士氏

 ガートナーは、コンシューマ技術が企業のITシステムに波及する「Consumerization of IT」を2005年末から主張している。同社が国内で行った調査でもパーソナル利用のサービスが次第にビジネス利用されるケースが見て取れるという。特にWeb 2.0のサービスが顕著で、志賀氏は辞書・自動翻訳、地図情報、Wikipediaなどのサービスがビジネスで認知度が高く、ビジネスへの貢献度も高いとして「ビジネスでの利用が今後定着していくだろう」と話した。

 志賀氏の分類によるとSNSは認知度、貢献度ともいまいちの「未知数型」。しかし、mixiの急成長振りなどを引き合いに「SNSはいずれ、『人気・実力兼備型』のエリアに入ってくるのは間違いない」と指摘する。SNSがビジネスの現場で広く使われることで、企業におけるコミュニケーションの形態が多面化し、「電子メールの利用が半減する」と見る。

web02.jpg 志賀氏が示したWeb 2.0関連技術、サービスの企業利用の状況

 多面化したコミュニケーションの手段としてはブログなども考えられるといい、「線的なつながりの電子メールに対して、SNSやブログは複数人とのコミュニティ構築や顧客とのホットラインなどに利用されるだろう」と推測。電子メールが情報漏えいなどセキュリティのリスクを抱えるのに対して、SNSやブログは比較的安全で「企業が顧客との関係を築きやすい」とする。

 SNS、ブログ以外ではインスタントメッセージやテレビ電話などが企業内で利用されるようになると志賀氏は予測。「電子メールの利用はなくならない。顧客との最初のコンタクトや、深い関係になるまでの中間的なコミュニケーションに利用されるだろう」と語る。

(@IT 垣内郁栄)

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