出版社以外のニーズも掘り起こす

アドビ、組版作業を自動化できるInDesign Serverをリリース

2006/12/05

 アドビ システムズは12月5日、デザインを中心とした出版作業を自動化できるサーバ製品「Adobe InDesign Server CS2」(以下、InDesign Server)を12月6日よりリセラーを通じて販売すると発表した。

佐藤写真 アドビ システムズ 法人営業部 アカウントマネージャー 佐藤賢一氏

 InDesign Serverは、出版社などが行う組版などの作業を自動化できるクライアントソフト「Adobe InDesign CS2」のコアエンジンをサーバ化した製品。コアエンジンのみでUI(ユーザーインターフェイス)は付属していないため、「基本的にシステムインテグレータなどが、さまざまな付加価値を付けて構築・販売する製品と考えている。従って、当社のAMSR(Adobe Master Solution Reseller)を通して販売する」(アドビ システムズ 法人営業部 アカウントマネージャー 佐藤賢一氏)とした。

 従来、クライアントソフト側でやっていた組版の作業をサーバ側に移すことで、編集ワークフローを大幅に自動化できるとした。また、紙媒体向けの組版作業の結果を、Flexなどと連携することでWeb化することも可能で、1回の組版作業で2種類のコンテンツを作成することもできるという。また、データベースとの連携を実現しているので、既存コンテンツを組版し直すのも容易だという。

 InDesign Serverは、クライアント版InDesignと同じく15言語をサポートしているほか、C++によるプラグイン開発などにも対応している。一方で、サーバ製品であるため、マルチプロセッサによる並列処理やエラーログの集積・記録などの機能も搭載した。ライセンス形態は、機能を限定し、小規模での利用を想定した「Limited」、イントラやLAN内での利用を想定した「Standard」、ファイアウォール外の不特定多数の人間への公開を想定した「Premium」の3種類を用意した。

 佐藤氏は、「クライアント版のInDesignは出版会社での利用が多かったが、InDesign Serverは、出版以外にも幅広く利用できる点が特徴だ。例えば、InDesign ServerとFlexを組み合わせて年賀状作成サイトを構築すると、ユーザーはWebサイト上で、組版を意識しないでも年賀状のレイアウトを自由に変更することができる。このように、InDesign Serverは、出版社以外にもさまざまな分野で利用されることが想定される。ただし、UIを持たないため、他システムとの連携や作りこみは必要だ。従って、システムインテグレータの協力が必須となる」と説明した。

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(@IT 大津心)

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