NGNには意識改革も必要

NGNのノウハウ売ります、英BT

2006/12/07

 日本BTは12月7日、同社の次世代ネットワーク(NGN)関連事業について報道関係者に対する説明を実施。同社のNGN構築ノウハウを、コンサルティングサービスとして提供していくことを明らかにした。

bt01.jpg 英BT Wholesale CEO、ポール・レイノルズ氏

 同社は「21世紀ネットワーク」(21CN)というNGNの構築を進めてきたが、11月末に英国のサウスウェールズで初のエンド・ツー・エンドでの移行を実施。2011年までには英国全土を21CNに接続する予定という。説明を行った英BT WholesaleのCEO、ポール・レイノルズ(Paul Reynolds)氏は、「これで当社は単一のネットワーク、単一のサービス、単一の製品群でNGNを展開する世界初の通信事業者になった」と宣言。「移行が終わった地域では、より早く新サービスを提供していく」と話し、NGN移行がエンドユーザーの目に見える形で進むことを強調した。

 21CNの構築に当たり、BTではソフトウェアの開発や検証に1500人年を費やし、50万のテスト項目をクリアしてきたという。「これまでの21CN構築の過程で、当社はビジネスモデルやパートナーの重要性、標準化の必要性など、さまざまなことを学んできた」(レイノルズ氏)。今後は英国内での21CNの展開をさらに進めるとともに、同社の公開するAPIの採用を世界の通信事業者に働きかける、これまで同社が蓄積したノウハウをコンサルティングサービスとして提供する、などの活動を進めていくという。

 BTは既存の通信インフラをすべて捨てるのではなく、取捨選択して活用。英国内でのアクセス回線についても、一部の光ファイバーのほかは全土をカバーするADSLを活用していく。「当社のNGNは特定のアクセス技術などに依存するものではなく、さまざまな回線で安定的な通信品質を提供することのできる包括的な取り組みであることが特徴」とレイノルズ氏は説明した。

 しかし、既存設備の統合や撤去が、通信事業者にとっての最も重要なNGNのメリットであることを同氏は認める。「BTでは16の既存ネットワークを撤去することで、2008〜2009年時点で10億ポンドのコスト削減を実現する」という。ほかにもNGNは課金やプレゼンス情報の活用、帯域管理などこれまでにできなかった基盤サービスを可能にし、新たなサービスの開発や導入に要する時間の短期化に役立つという。

 レイノルズ氏はNGNへの移行に際し、通信事業者には組織としての意識の変革が必要になるとし、「透明性があり、オープンで、スピードを持ち、革新をいとわない姿勢が重要だ」と話した。

(@IT 三木泉)

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