「マイクロソフトのベストフレンド」

2010年までに20倍に、クエストが国内ビジネスに本腰

2006/12/08

 Windows関連のソフトウェアを開発、販売するクエスト・ソフトウェアが日本でのビジネスに本腰を入れる。クエスト日本法人は2003年に設立されたが、人員や製品面で磐石の体制とはいえなかった。2006年6月に代表取締役社長に就任した公家尊裕氏は「2010年までに会社のサイズを20倍にしたい」と意気込む。成長軌道に乗るための最初の戦略製品はコンプライアンス関係だ。

quest01.jpg クエスト・ソフトウェア 代表取締役社長の公家尊裕氏

 米クエストは世界で3000人規模の社員を抱えるが、2003年当時の日本法人は1ケタ。さらにソフトウェアが日本語化されていないことに加えて、「ダブルバイトにも対応していなかった」と公家氏。「売れるはずがなかった」

 公家氏の社長就任を機に米本社は日本法人にリソースを投下。ソフトウェアの日本語化を積極的に進めて、販売代理店が売りやすい製品をそろえるようにした。特に販売増を期待するのはコンプライアンス関係。Windows、UNIX、Linuxなどのイベントログを取得し、安全に保管する監査対応製品「InTrust」や、「Active Directory」やNTドメインのログをエージェントレスで収集する「Reporter」に注力する。

 米クエストのバイスプレジデントでアジアパシフィック、日本担当のリチャード・モーズリー(Richard Moseley)氏はInTrustについて「ログデータを100分の1に圧縮し、安全に保管する。他社製品と比較して製品の安定性が高く、ログのロスが少ない」と説明した。

チャネル戦略を刷新

 また、Active Directory上のユーザーの行動をポリシーに応じて検出し、管理者にレポートする「InTrust for Active Directory」も2007年第1四半期に出荷する予定。「コンプライアンスのデファクトスタンダードを目指す」(公家氏)という。「マイクロソフトと競合する製品を意識的に出さない」(同氏)といい、「マイクロソフトのベストフレンド」を自認する同社だけに、Active Directoryだけでなく「Exchange Server」や「Office SharePoint Server」などとの連携製品も用意する。

 日本でビジネスが成功しなかった最大の要因と公家氏が考えるチャネル戦略も、2007年初めに大きく変更する考えだ。これまでの同社は1次代理店しか組織してこなかったが、新たに2次代理店も募集し、ソリューションごとにグループ分けする考え。現状の7社の1次代理店に加えて、15〜20社の2次代理店を募集する計画で、製品の拡販を加速させる。

(@IT 垣内郁栄)

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