オープンソースのAsteriskを日本向けにアレンジ

M2X、“サイボウズより簡単に使える”IP-PBXソフト

2006/12/11

 エムトゥエックス(以下、M2X)は12月11日、AsteriskベースのIP-PBXソフトウェア「BIZTEL PRO」の販売を開始すると発表した。従来、専用レンタルサーバ業者のリンクと共同で提供していた「BIZTEL」を、自社内サーバで運用したい企業向けにパッケージしたもの。

眞崎氏写真 エムトゥエックス 代表取締役社長 眞崎浩一氏

 BIZTEL PROは、LinuxベースのサーバにインストールすることでIP-PBXの機能を提供するソフトウェア。最大の特徴はAsteriskベースである点だ。Asteriskは、高度なIP-PBXの機能を提供するオープンソースソフトウェア。M2Xはそれを日本向けに改良し、BIZTEL PROとして提供する。

 M2X 代表取締役社長 眞崎浩一氏は、「日本のオフィス環境は世界で唯一といえるくらい“島机”形式のオフィスだ。これは近隣の韓国や中国とも異なる特殊環境。このような環境であるため、電話機も世界標準とは異なるボタン電話が主流だ。Asteriskは非常に多機能なオープンソースソフトだが、世界標準とは異なるボタン電話に対応した機能はあまりないので、1年程度の時間をかけて日本向けにさまざまな改良を施した。米国ではAsteriskがデファクトスタンダードとなりつつある」と説明し、日本の島机という特殊環境に合わせた機能をいろいろ取り込んだとした。

 BIZTEL PROはSIPベースなので、SIPに対応したほとんどのIP電話機に対応。03番号や050番号を付与できる「SIPトランクサービス」もあわせて提供するほか、NTTグループのひかり電話にも対応。ひかり電話対応機器「RT200NE」に対応するため、ひかり電話の電話番号をそのままBIZTEL PROでも利用することができる。眞崎氏は、「現在IP電話で最大シェアを獲得しているひかり電話には一番に対応した。また、とにかくシンプルなUIを目指した。よく冗談半分でいっていたのは『サイボウズより簡単に利用できるUIを目指せ』だ。そのレベルにはいっていると思う」とコメントした。

 主な機能には内外線などの基本機能や、不在応答・定時応答機能、電話会議機能、ソフトフォン機能、電話帳機能などが備わっている。インターネットに繋がっていて、SIP対応電話機があればすぐに利用できるため、現場の移動の多い建築会社の監督者などの場合、例えば名古屋や大阪の現場にいても03で始まる電話番号で電話を受けることができる。また、アウトバウンドが主体のコールセンターの場合には電話機を導入せずにソフトフォンとヘッドセットの組み合わせでも十分なことから、電話機導入コストを抑えることもできる。

 将来的には、ActiveXに対応し、Webブラウザから電話を掛けられるソフトウェアや、OEM/アプライアンス製品を2007年初めに提供する予定。VPNを利用したIP-PBXサービスも現在開発中で6カ月以内に提供するとした。

(@IT 大津心)

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