ドメイン取得料金もMSが負担

MS「Office Live」ベータ版開始、一部サービスは「未来永劫、無償で」

2006/12/11

 マイクロソフトは12月11日、Webサイトのドメイン取得やサイト構築、電子メール、業務アプリケーションなどをWebブラウザ上で利用できる、新しいネットサービス「Office Live 日本語版」のベータ提供を開始した。小規模企業や個人事業主が対象のサービスで、一部サービスは無償で提供する。クライアントアプリケーションをネットワーク上に移行し、Webブラウザで利用する「SaaS」に対する、マイクロソフトからの回答がOffice Liveといえるだろう。

 提供するのは情報公開系サービスと情報共有系サービス。情報公開系のサービスでは自社ドメイン取得とWebサイト構築、電子メールの運用、Webサイトのレポートツールを用意する。この情報公開系のサービスは、ドメイン取得、更新料も含めて「未来永劫、無償で提供する」(同社 インフォメーションワーカービジネス本部 Office Live担当 シニアプロダクトマネージャ 鍵山仁一氏)。

ドメイン取得、更新料をMSが負担

officelive01.jpg マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部長 横井伸好氏 

用意されたテンプレートやテーマを使い、AjaxベースのインターフェイスでWebサイトを作成可能。Webサイトの容量は標準で500MB。インターフェイスはOffice 2007に近いタブ型を採用した。「Microsoft Word文書を編集する感覚でWebサイトを構築できる」という。レポートツールは構築したWebサイトのアクセス状況を把握できるツール。検索キーワードなども表示可能で、マイクロソフトはレポートツールからキーワードに関連するリスティング広告を将来購入できるようにすることを検討している。

 電子メールは標準で25個までのアカウントを作成可能。独自ドメインで運用できる。アカウント当たりの容量は2GB。合計50GBとなる。Webメールの「Windows Live Mail」のインフラを利用し、「Microsoft Outlook」で一元管理することもできる。

 業務アプリケーションと専用ワークスペースは有償。「Windows SharePoint Services」をベースにし、日本企業に合ったサービスを用意した。利用できるサービスは顧客情報を管理できる「Business Contact Manager」やスケジュール共有、社内設備の予約などができる「GroupBoard」、プロジェクトの進ちょくをガントチャートで管理する「プロジェクトマネージャ」、共有ファイルのバージョン管理などを行う「ドキュメントマネージャ」など。専用ワークスペースはWikiベースのサービスや、アクセス権限を制限して利用させることができる顧客用ワークスペースなどを用意する。

機能別に3つのサービス、ベータ中は無償提供

 サービスラインアップは3つ。情報公開系サービスを無償で提供する「Basic」と、Basicに専用ワークスペース(500MB)とBusiness Contact Managerを追加し、Webサイト容量と電子メールアカウント数を2倍にした「Essential」、加えてGroupBoardとほかの業務アプリケーションが利用でき、Webサイト容量を2GBにした「Premium」。

 EssentialとPremiumはベータ期間中は無償で提供。正式版の提供開始は2007年第2四半期を予定。正式版の価格は未定だが、すでに開始している米国ではEssentialが月19ドル、Premiumを月39ドルで提供している。Office LiveはクライアントのOfficeアプリケーションと連動して動作するのが特徴の1つ。標準機能はOffice 2000以降で利用できる。

officelive02.jpg 「Office Live」のサービスラインアップ

現実的に受け入れられる“Software plus Service”

 グーグルやセールスフォース・ドット・コムなどソフトウェアをサービス化してネットワーク経由で提供する流れが盛り上がっているが、マイクロソフトはOfficeという巨大な資産に対して「インターネット上から必要な機能を補完する」(同社 インフォメーションワーカービジネス本部長 横井伸好氏)戦略を採る。あくまでもクライアントアプリケーションのOfficeが主で、ネットサービスは従との考えだ。

 横井氏は「ソフトウェアがすべてインターネット上のサービスになるとは思っていない。Office LiveもOfficeをネットで提供したり、Webブラウザ上でOfficeが使えるようにするわけではない」とマイクロソフトの考えを説明した。そのうえで、「デスクトップアプリケーションとインターネット上のサービスが相互補完し、生産性を向上させる“Software plus Service”が現実的に受け入れられるサービスになる」と話した。

(@IT 垣内郁栄)

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