光ファイバは切れても衛星でバックアップ

台湾南部地震のネットワーク障害で衛星活躍

2007/01/12

 台湾南部で2006年12月26日に発生した地震の影響で、近辺の主要な海底ケーブルが寸断され、各社の国際通信サービスに影響が出た。このとき臨時バックアップ回線として自社の衛星通信が使われたことを国際通信衛星サービスのインテルサット(本社:英領バミューダ諸島)が明らかにした。

 インテルサット上級副社長のスティーブン・スペングラー氏は「今回の地震のような不幸な災害は、光ファイバベースのネットワークに対して衛星通信が果たすバックアップ回線としての役割に光を当てるものです」と1月11日に発表したリリースの中でコメントしている。また今回実際にあった利用の一例として「東南アジアの通信キャリアが提供するインターネット接続サービスで光ファイバの障害が起こった際、4時間以内に56Mbpsの回線を提供できた」としている。このほかにも同社は、2004年のスマトラ沖地震・津波や、2005年に米国南部を襲ったハリケーン・カトリーナの際にも、バックアップ回線を提供したという。

 インテルサットは衛星通信網を構築するために1964年に各国政府が協力して作ったコンソーシアム「国際電気通信衛星機構」として開始。2001年には組織変更で私企業となっており、現在50以上の衛星と、総延長3万2000キロ以上の光ファイバを使い、グローバルな通信ネットワークを構築している。典型的な通信衛星1つの伝送容量は155Mbps。

intelsat01.jpg 衛星の通信エリアの例(東経166度に位置するPAS-8のKuバンドの通信エリア)

(@IT 西村賢)

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