商標を巡る複雑な背景

「Palm OS」が「Garnet OS」に改名、ACCESSが発表

2007/01/25

 ACCESSは1月25日、モバイルデバイス向けOS「Palm OS」の名称を「Garnet OS」に変更すると発表した。ACCESSは2005年11月にPalm OSを開発していた米PalmSourceを買収し、100%子会社としてきた。Palm OSが載る製品に付けられている「Palm Powered」のロゴも「ACCESS Powered」に変更する。

 Palm OSが名称を変更する背景には複雑な歴史がある。PDAの先駆けであるPalmデバイスを開発していたのは米Palm。米PalmはPalm OSのライセンス販売を円滑に行うため、2003年10月にハードウェアを開発する「palmOne」と、Palm OSなどのソフトウェアを開発する「PalmSource」に分社した。その際、「Palm」の商標は両社が共同で設立した「Palm Trademark Holding Company」が管理するようにした。

 しかし2005年5月、palmOneは、PalmSourceが保有するPalm Trademarkの株式(全体の55%分)を買い取り、「Palm」の商標の権利を完全取得した。PalmSourceは2009年まで「Palm」の商標を一定の範囲内で使える契約をpalmOneと結んでいた。

 その後、ACCESSは2005年11月にPalmSourceを買収し、Palm OSの事業を引き継いだ。ACCESSはPalm OSは手に入れたものの、その商標はpalmOne(現在はPalm.Inc)が持つというねじれた構造だった。

 ACCESSは商標を巡るねじれを解消するため、2009年の期限切れを前にPalm OSの名称を変更することを決めた。Palmブランドのほかの製品も順次変更する考えだ。

 ACCESSはPalm OSの技術を取り込み、Linuxベースのモバイル向けOS「ACCESS Linux Platform」(ALP)を開発している。

palm01.jpg Garnet OSを搭載するデバイスに今後付けられるACCESS Poweredロゴ

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(@IT 垣内郁栄)

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