Unbreakable Linux 2.0

Red Hat Linuxの直接サポートを3月にも開始、日本オラクル

2007/01/29

 日本オラクルの代表取締役社長 新宅正明氏は1月29日、Red Hat LinuxのOSサポートをオラクルが直接提供する「Unbreakable Linux 2.0」について、今春に提供開始する考えを示した。オラクル関係者によると、3月にも発表し、サービスを提供開始する計画。新宅氏は「ユーザーの期待に応えたい」と話した。

oracle01.jpg 日本オラクルの代表取締役社長 新宅正明氏

 Unbreakable Linux 2.0は、レッドハットに代わり、オラクルがユーザーのRed Hat Linuxをサポートするサービス。OSのアップデート、パッチを適用する「Network Support」と、アップデート、パッチに加えて24時間365日のWeb、電話サポートを提供する「Basic Support」、Basicに加えて新バージョンのバックポートを利用可能にする「Premier Support」を用意する。米オラクルが2006年10月下旬に開催した「Oracle OpenWorld 2006」で発表した。国内では当初1月にも発表と見られていたが、遅れていた。

 Unbreakable Linux 2.0の提供開始の障害になると考えられているのは、オラクル子会社のミラクル・リナックスとの関係。オラクルがRed Hat Linuxをサポートすることで、ミラクル・リナックスと競合することが考えられる。また、国内では国産のハードウェアベンダがRed Hat Linuxのサポートを提供するケースが多く、オラクルはハードウェアベンダとの調整も必要になる。

ミラクル・リナックスが障害に?

 日本オラクルの取締役 システム事業担当 常務執行役員 保科実氏はUnbreakable Linux 2.0について「まだ今日時点では確定していない」としながらも、「ミラクルはディストリビューションで、Unbreakable Linux 2.0はサービスとしてRed Hat Linuxを補完していくアプローチ。ただ、一部がかぶるのは間違いないので、きちんとすみ分けをしていく」と説明した。

 また国産ハードウェアベンダについても「コラボレーションの形をきちんと決めていかないといけない」と述べた。新宅氏は「Unbreakable Linux 2.0の推進はなんら変わらない」と強調し、ミラクルとの関係にかかわらず、Unbreakable Linux 2.0を展開する意気込みを示した。

 オラクルがUnbreakable Linux 2.0に加えて、今年注力するのはソフトウェアのサービス化。オラクルは2006年秋から「Siebel CRM On demand」を国内で本格展開している。新宅氏は「徹底的に力を入れていく」と述べた。

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(@IT 垣内郁栄)

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