過去の判決を上回る支払い命じる

エステ個人情報漏えい、1人当たり3万5000円の賠償命令

2007/02/08

 インターネット上に個人情報を漏えいされ、プライバシーが侵害されたとして被害者14人がエステティック大手のTBCグループ(当時はコミー)に対して1人当たり115万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2月8日、東京地裁であった。東京地裁は被害者13人に1人当たり3万5000円、1人に2万2000円を支払うようTBCグループに命じた。

 個人情報漏えい事件では、京都市宇治市の住民票データが漏えいした事件で、1人当たり1万5000円(弁護士費用含む)の賠償金の最高裁判決が確定している。今回の判決はその賠償金を大きく上回る額の支払いを命じていて、東京地裁はエステに興味のある人の名前や住所、年齢、職業などが流出したことを重く見たようだ。

 TBCグループは「判決文の詳細はまだ把握していないのでコメントは出せない。いずれにしても代理人と判決文の中身を精査したい」としている。

 TBCグループの情報漏えいが判明したのは2002年5月。アンケートに答えた人などの個人情報が同社のWebサイトで閲覧可能になっていた。最終的に情報漏えいが確認されたのは約5万人分。流出した情報が悪用される二次被害もあったという。被害者は2002年12月19日に提訴していた。

(@IT 垣内郁栄)

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