グローバル対応を強化

「世界で勝つ企業を支援」、Oracle EBS最新版が登場

2007/02/09

 米オラクルはERPパッケージの最新版「Oracle E-Business Suite Release 12」(EBS 12)を2月1日に発表した。最大の特徴は、グローバル展開を図る企業向けの機能を強化したこと。日本オラクルの執行役員 アプリケーションマーケティング本部長 藤本寛氏は「日本だけでなく、世界で勝つ日本企業を支援したい」と語る。

oracle01.jpg 日本オラクルの執行役員 アプリケーションマーケティング本部長 藤本寛氏

 EBS 12は2400以上の機能を追加。うち50%は業種特有の機能で、残りの50%は共通機能。藤本氏は「言語対応だけでなく、各国の商慣習を完全に管理できるようにした」と説明した。グローバル展開する企業での利用を想定し、世界各地で進展する複数のプロジェクトを管理できる機能を追加。利益への貢献度などから各プロジェクトのポートフォリオを監視できるようにした。

 シェアードサービスの機能も強化。人事や購買、支払いなど各国の商慣習や法制度に対応しながら、シェアードサービスで業務プロセスを集中管理できる。EBS 12では新たに10カ国の人事管理制度に対応し、合計30カ国で利用可能になった。製造業の生産拠点が多いアジア各国の法制度に対応した生産管理機能も搭載した。

 ユーザーインターフェイスも一新する。ポップアップや重複画面などを削除し、ワークフローをシンプルにした。ユーザーがカスタマイズできるエリアも増やし、使い勝手を向上させた。オラクルはインターフェイスの向上で「グローバルなシステム展開を加速する」としている。

 藤本氏はオラクルのERP商談について「1つ1つの案件の規模が昨年度よりも大きくなっている。手作りシステムなど既存の環境とのインテグレーション技術をオラクルが用意していることが、オラクルの業務アプリケーションを導入しやすくしている」と話した。

(@IT 垣内郁栄)

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