実測値に基づき仮想化の効果を最大化

普及期のサーバ仮想化、HPがVMware導入設計支援サービス

2007/02/15

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2月15日、企業におけるVMwareの導入検討に際して導入効果の測定や最適構成の提案を行うサービスを提供開始したと発表した。同社はVMwareの構築サービスと保守サービスを既に提供している。新サービスの開始により、日本HPはVMwareの導入・運用に関する全工程をカバーしたコンサルティングを提供することになった。

hp01.jpg 日本HP グローバルデリバリ統括本部 ソリューションサービス本部 システムマネジメントソリューション部 遊亀泰之氏

 新サービスの名称は「HP Care Pack VMwareキャパシティプランナー・アセスメント・サービス」。このサービスでは、まず企業で稼働しているサーバの数や運用状況を把握し、仮想化対象となるサーバを選定。これらに対してヴイエムウェアの仮想化構成支援ツール「VMware Capacity Planner」を適用、例えば1カ月にわたり対象サーバのCPU、メモリ、ディスクI/Oなどの情報を収集し、それぞれのピーク特性を把握したうえで、どのような組み合わせを行うと最大の統合効果を得られるかをシミュレートし、企業に提示する。仮想化プラットフォームとしてのサーバは基本的に日本HPのブレードサーバを想定。推奨構成の提案を行う。所要期間は通常約2カ月で、価格は対象サーバが50台まで、データ収集期間が30日の場合で105万円から。

 日本HP グローバルデリバリ統括本部 ソリューションサービス本部 システムマネジメントソリューション部 遊亀泰之氏によると、これまで日本HPが手がけてきた仮想化案件においても、対象サーバに関する実測値を前提としなかったために統合効果を十分に出せていないケースが見られるという。新サービスでは「VMware Capacity Planner」がはじき出す理想の導入構成をベースとし、これに各企業におけるセキュリティや管理責任、そのほか社内政治的要素を加味して、現実的な推奨構成を提示する。

 日本HPは2005年6月にVMware OEM版の提供を開始して以来、x86サーバについてはVMwareを用いた仮想化を強力に推進している。VMWareの認定を取得したサーバを業界で最も多く取り揃えているという。

hp02.jpg 日本HPにおけるVMware受注本数の推移。2005年11月を基準とした相対的な推移を示している

 同社では2006年秋よりVMwareを用いた仮想化の案件が急速に伸び、仮想化ビジネスの本格的な立ち上がりを実感しているという。顧客層の広がりも顕著で、大企業だけでなく、中堅・中小企業からの問い合わせが目立って増えているとしている。

 サーバ仮想化技術の導入目的についても、同社では「当初はWindows NTの延命や開発・検証環境の統合が主だったが、これが情報システムの統合へシフトしつつあり、2007年には全社ITインフラへの適用が進むだろう」(エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部 宮本義敬氏)としている。

 同社は2月下旬に、HP-UX上のサーバ仮想化技術である「HP VSE」を含めた包括的なサーバ統合コンサルティングサービスの発表も予定している。

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(@IT 三木泉)

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