1アカウント1年で6300円

グーグル、SaaSでメールやオフィスを国内向けに提供

2007/02/23

 グーグルは2月23日、オフィスソフト、メール、チャット、カレンダーなどをオンラインで利用する法人向けサービス「Google Apps Premier Edition」の正式サービスを開始した。サービスはオンラインでSaaSとして提供。利用料は1ユーザーアカウントあたり年額6300円。

 同サービスは2006年8月にベータ版としてリリースされたもので、中小規模の組織を中心に、ワールドワイドで約10万社での利用実績があるという。

グーグル写真 グーグル エンタープライズ セールス マネージャー 大須賀利一氏

 利用できるサービスは、これまで一般個人ユーザー向けに無償提供されていたGmail、Google Talk、Google Calendarなどと同等のサービスで、ワープロと表計算のDocs&Spreadsheets、Webページ作成ツールのPage Creatorも提供される。メールサービスでは、無償版のStandard Editionで1アカウント当たり2GBのものが、10GBに拡張されたほか、テキスト広告を非表示にもできる。メールやカレンダーといった各種アプリケーションや天気、ニュースなどのコンテンツをパーソナルポータルとして表示する「Start Page」も提供。ポータルに表示するパーツは、ガジェットとして開発することで企業内の情報も統合できる。各アプリケーションのAPIは公開されており、既存の社内システムとシングルサインオンやユーザー管理機能といったレベルで統合できる。現在、国内SIパートナーとの協議も進めている。

 ビジネス向け機能としてモバイルアクセスに対応。ただし、現在おもに北米を中心に利用されているメール端末のBlackBerryに対応するのみで、日本国内の携帯電話への対応については「予定はあるが具体的な内容は未定」(エンタープライズ セールス マネージャー 大須賀利一氏)という。

 当面は50〜1000人規模の組織を想定ターゲットとする。大須賀氏は、大企業では内部統制やコンプライアンス、セキュリティへの懸念からSaaS型のサービスを受け入れる素地はまだ整っていないのではないかとしながらも、「銀行にお金を預けるように、メールデータを外部に委託するという考え方もあると思う。セキュリティ面などでSaaSに技術的な課題はない」と話した。

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(@IT 西村賢)

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