企業向けウイルス対策ゲートウェイのオプションとして提供

スパムメールに多層防御を適用、トレンドマイクロの新製品

2007/03/05

 トレンドマイクロは3月5日、同社の企業向けウイルス/スパイウェア対策ゲートウェイソフトウェアにおけるスパムメール対策を強化する新製品を販売開始したと発表した。新製品は「Trend Micro Spam Prevention Solution」(SPS)で、「InterScan Messaging Security Suite 7.0」のオプションとして提供される。

trend01.jpg トレンドマイクロ エンタープライズマーケティンググループ プロダクトマーケティング課 プロダクトマーケティングマネージャー 網野順氏

 SPSはスパムメールを防止・隔離する4種類の機能で構成されている。既知のスパムメール送信元のブロック、アドレス収集の防止、スピア型(目標特定型)スパムメールのブロック、そしてコンテンツフィルタリングにおけるスパム対策だ。

 既知のスパムメール送信元のブロックについては、同社がすでに提供している「Trend Micro Network Anti-Spam Service」と同等のIPレピュテーション(評価)機能を提供する。これはスパムメール送信元サーバのIPアドレスデータベースサービスで、企業のメールサーバがこのデータベースに問い合わせを行うことで、スパムメール送信元サーバとして登録されているサーバからの接続を拒否することができる。

 IPレピュテーションサービスはいくつかのベンダが提供しているが、同社のサービスは知名度の高い「MAPS」を、運営会社である米Kelkeaの買収により獲得して使っていること、トレンドマイクロが運用するアドレスリストデータベースをインターネット経由で活用するため、情報更新でソフトウェアの停止や再起動が不要なこと、管理者用にホワイトリストの設定などができるコンソール機能を提供していること、などが特徴だと、同社エンタープライズマーケティンググループ プロダクトマーケティング課 プロダクトマーケティングマネージャーの網野順氏は話す。

 アドレス収集の防止とスピア型スパムメールのブロックは、「IP Profiler」(IPプロファイラ)という機能で提供している。アドレス収集の防止では、社内メールディレクトリ情報の取得を狙う攻撃を仕掛けてくるメールサーバを自動的にブラックリストに載せ、それ以降の接続を阻止する。スピア型攻撃のブロックは、メッセージIDと送信元IPアドレスの組み合わせに、コンテンツフィルタリングでのスパムか否かの判断結果を相関させて行う。単位時間内に単一のIPアドレスからしきい値を超える数のスパムメールが送られてきた場合、このIPアドレスをブラックリストに載せて、それ以降の通信をブロックする。

 最後のコンテンツフィルタリングにおけるスパム対策では、パターンマッチングにヒューリスティック技術を組み合わせ、95%以上の検出率でスパムメールを検出、隔離するという。同機能では画像スパム(情報を画像として送ることでスパムフィルタを回避するスパム)対策として、画像の背景色やノイズを変化させたスパムメールの亜種を、ノイズ除去やOCR機能の活用で検出することも可能だという。

 さらにSPSでは、スパムメールとして隔離されたメールを、各ユーザーが自分自身で確認し、必要な場合には再配信させることができるようになっている。

 SPSは同時発売のInterScan Messaging Security Suite(MSS)の新バージョン、「InterScan Messaging Security Suite 7.0」のオプションとして販売されている。MSS 7.0は、複数サーバを並列配置した負荷分散環境でこれらのサーバを一括して管理できる機能を搭載するとともに、ボット対策として、ファイルの圧縮形式から危険な圧縮ファイルを判断する「IntelliTrap」機能を搭載した。

 Trend Micro Spam Prevention Solution の参考価格は50アカウントで14万円、InterScan Messaging Security Suite 7.0の参考価格は50アカウントで29万2500円。いずれも1年間のサブスクリプションライセンスとなっている。

(@IT 三木泉)

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