[インタビュー]米CA 社長兼CEO スウェインソン氏

複雑化するIT環境には洗練された管理が必要、CA

2007/03/15

 米CAの業績が好調だ。不正会計問題による社内の動揺が収まらない中、2004年11月に米CAの社長兼CEOに就任したジョン・スウェインソン氏は、現在に至るまであらゆる面で社内改革を進めてきたという。業績の回復基調がはっきりしてきたいま、CAは何を目指すのか。スウェインソン氏に聞いた。

――これまでの社長兼CEOとしての成果と今後の課題は

ca01.jpg 米CA 社長兼CEO ジョン・スウェインソン氏

スウェインソン氏 マーケティング組織を再構築し、サポートのプロセスを手直しし、ITも見直すなど、短期間にこれほどたくさんやったことに改めて驚くことがある。まだまだやることはあるものの、(2005年末にCAが打ち出した)「Enterprise IT Management」(EITM)というメッセージが浸透しつつあるなど、成果を出せていることはうれしく思う。しかし、まだ当社は製品中心の企業からソリューション中心の企業への変身の途中だし、パートナー経由の販売も増やす必要がある。パートナー経由の販売は現在10%以下だが、この2、3倍に増やさなければならない。

――製品やソリューションの構成はどのように変わってきているか

スウェインソン氏 エンタープライズシステム管理分野は新製品投入効果もあり、今四半期は売り上げが2倍になった。サービスデスク管理製品などのビジネスサービス最適化製品分野も力強い。EITMの中核となる4つの製品群は今後2けたの伸びを続ける一方、ほかの製品群は横ばいとなるだろう。EITMというメッセージを出した理由はマーケティング面だけでなく、製品開発や投資を集中させる分野を明確化することだった。メインフレーム向け製品の伸びは鈍化するが、分散システム向け管理製品は非常に急速に成長していく。私がCAに入った当初、メインフレーム向け製品は売り上げの60%を占めていたが、現在は54%になった。このトレンドは続くだろう。

――管理システム自体が複雑で、ITを管理する前に管理システムを管理しなければならないという声も聞く。CAは包括的な製品群で知られているが、こうした声にどう応えるか

スウェインソン氏 過去に管理製品ベンダが犯した過ちは、すべての技術を構築して初めてユーザー企業が恩恵を得られるようにしたことだ。これでは、ほとんどのユーザー企業は導入に失敗してしまう。すべてを導入することなど不可能だからだ。そこで当社では、ステップ・バイ・ステップの導入ができるように気を配っている。個々の製品でも価値を発揮できるが、全体を導入してくれればもっと価値が出るということだ。

――競合ベンダに対してどう差別化していくか

スウェインソン氏 エンド・ツー・エンドで当社と競合できるのはIBM、ヒューレット・パッカード、BMCなどに限られる。お客様は、すべてをまとめて導入するつもりはまったくないとしても、エンド・ツー・エンドでの管理についてロードマップを提示できる企業を欲している。これが最大の差別化ポイントだ。第2の差別化ポイントは、ソフトウェアをえさにしてハードウェアを売ったり、サービスで儲けるといった目的を当社は持っていないことだ。当社のビジネスは良いソフトウェアをつくり、良いサポートを提供することだ。ほかのものを売らないという点で競合他社とは異なる。

――IT環境が複雑化すれば管理製品も複雑化を避けられないのではないだろうか

スウェインソン氏 環境が複雑化すれば瑣末(さまつ)な管理製品は役に立たない。「複雑」という言葉は好きではないが、「包括的」で「完全性」があり、「洗練」された管理技術が求められる。メインフレームからUNIX、Linux、Windows、ネットワーク、ストレージなどすべてを管理するとなると、管理製品も自ずとシンプルではいられない。当社の顧客にはすでに管理対象が10万件に達し、5年後には50万件になろうとしているところがある。これほど膨大な規模になると、洗練された管理ソフトウェアが必要だ。洗練された管理ソフトウェアは、ユーザー企業において業務関連プロセスの状況をエンド・ツー・エンドで示し、問題が発生すれば管理者をその原因に導き、解決方法を示さなければならない。管理から修復に至るプロセスの多くを自動化すること、それが管理ソフトウェアの提供ベンダとしての当社の究極的なビジョンだ。

(@IT 三木泉)

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