大口広告主向け口コミ販売網

Web2.0時代にふさわしいマーケティング手法がある、メンバーズ

2007/03/15

 電通の調査によると、2006年度の日本の広告費は5兆9954億円、そのうちインターネットの広告費は前年比129.3%の3630億円だった。インターネット広告は3年連続で増加している。インターネット広告事業を展開する企業の多くが、インターネット広告の将来に強気の姿勢をみせている。メンバーズ 代表取締役社長 剣持忠氏もその1人だ。

メンバーズの写真 メンバーズ 代表取締役社長 剣持忠氏

 企業がインターネットに広告出稿するケースが増えているとはいえ、剣持氏は「マーケティング手法は従来のまま。出稿メディアが1コ増え、効果測定がしやすくなったというに過ぎない」と厳しい。新しいメディアが登場したからには、企業は新しいマーケティング手法を生み出す必要があると剣持氏はいう。

 メンバーズには「M-LINK」というサービスがある。大口広告主(年間アフィリエイト広告出稿1000万円超)に限定した口コミ販売ネットワーク構築サービスで、要は自社ブランドのファンのみによる中身の濃いアフィリエイトネットワークを作り出すものだ。

 既存のアフィリエイトサービスは、複数の広告主がアフィリエイトサービス企業を仲介して、口コミ網を構築する。メンバーズは、広告主を1社に限定し、口コミ網を構成する人々もその企業に興味のある人々だけにすることで、口コミ効果をより高くするサービスを提供している。

 同サービスの顧客として無印良品がいる。無印良品はネットストア「MUJI.net」の会員100万人を対象に会員紹介プログラムを「M-LINK」を活用して展開している。既存のアフィリエイトサービスも同時に行っている。

 「企業は自社のWebサイトを媒体化し、その媒体を通じて顧客に直接メッセージを届けたり、サービスを提供していくべきだ」と剣持氏はいう。そして、「それがWeb2.0時代の企業の新しいマーケティング手法である」とする。

 「M-LINK」は2006年9月にサービスを開始し、2006年11月時点で36社の受注実績がある。今期中に100社の受注を目標とする。「多くても150社程度に抑える」と剣持氏はいう。サービス対象企業は大口広告主に限定し、1社あたりのアフィリエイターを増強(10万人程度が目安)することに注力する。

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(@IT 谷古宇浩司)

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